[ニューヨーク 18日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが幅広い通貨に対して下落した。米連邦準備理事会(FRB)当局者らの発言を受け、月内の利下げ観測が広がった。 

ドル指数.DXYは0.52%安の96.713。200日移動平均の96.806を割り込んだ。ドル一段安の前兆となるテクニカルなサインとされる。 ドルは対円JPY=EBSで一時、107.210円と3週間ぶりの安値を記録した。ユーロは対ドルで0.44%高の1.1275ドル。 

対ドル相場はほかに、英ポンドGBP=D3が0.98%高の1.2552ドル、豪ドルAUD=D4は0.88%上昇、ニュージーランドドルNZD=D4も0.70%値上がりした。 

ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、金利がゼロ近辺にある場合でも低インフレに対応するため早期に刺激策を打つ必要があるとし、景気が悪化するまで待つべきではないという認識を示した。 ドルは大半の主要通貨に対し底堅く推移していたが、この発言を受け市場は大きく反応した。 アムンディ・パイオニア・インベストメンツの通貨戦略部門幹部は、ウィリアムズ総裁の発言について「非常にハト派色が濃い印象」を指摘した。 

また、FRBのクラリダ副議長は、増大するリスクへの保険として、国内景気刺激へ早期に動く必要がある可能性に言及。FOXビジネス・ネットワークのインタビューで「事態が相当悪化して劇的な形で利下げに踏み切らざるを得ない時点まで待つ必要はない」と述べた。 

CMEグループのFEDウオッチによると、金利先物は2週間後の利下げを完全に織り込み、50ベーシスポイント(bp)の利下げ予想確率は71%と、前日終盤の水準の2倍強に達した。 

ブルームバーグは、欧州中央銀行(ECB)スタッフが物価目標の改訂に関して非公式に検討を開始したと報じた。現行の「2%未満だがその近辺」という目標が依然適切かどうかを見直すもので、インフレ率の上振れを一定期間容認する可能性もある。この報道を受け、ユーロは早い時間帯に下落した。 

ドル/円 
NY終値 107.29/107.30 
始値 107.85 
高値 108.01 
安値 107.22 

ユーロ/ドル 
NY終値 1.1275/1.1279 
始値 1.1212 
高値 1.1280 
安値 1.1211