6月の米耐久財受注統計では、設備投資の先行指標となる航空機を除く非国防資本財(コア資本財)の受注がこの1年余りで最大の伸びを示した。商務省が25日発表した。コア資本財の出荷は、市場の減少予想に反して拡大した。主要国が関税措置を発動し、世界経済に弱さがみえるにもかかわらず、企業の設備投資が勢いを取り戻しつつあることが示唆された。

キーポイント
 ・6月のコア資本財は前月比1.9%増
 ・市場予想の中央値は0.2%増
 ・前月は0.3%増に下方修正-速報値0.5%増
・全体の耐久財受注は前月比2.0%増加
 ・市場予想は0.7%増
U.S. equipment orders, shipments gained momentum at end of second quarter

インサイト

  • 6月のコア資本財の受注は幅広い項目で増え、2018年2月以来の大幅増となった。米中貿易戦争と世界経済の軟化が米景気を一段と鈍化させるとの懸念が和らぐ可能性がある
  • 米金融当局は来週の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で0.25ポイント利下げするとの見方が大勢を占めているが、堅調な個人消費や雇用拡大を示す最近の指標と今回の耐久財受注を考え合わせると、7月会合の後も利下げを継続するのを当局がためらうことも想定される
  • 全体の耐久財受注の増加は、民間航空機と同部品の伸びを反映している。ボーイングの6月の航空機受注は9機。5月はゼロだった
  • 労働省が同日発表した先週の週間失業保険申請件数は前週比で減少し、約3カ月ぶりの低水準となった。労働市場が引き続きタイトであることを示している

詳細

  • 国内総生産(GDP)の算出に用いられるコア資本財の出荷は0.6%増。前月は0.5%増だった。3カ月平均(年率)では2.4%増。5月時点では1.5%増。一方、コア資本財の受注の3カ月平均(同)は0.3%増に鈍化した。5月時点は1.6%増だった
  • 6月は大半のカテゴリーで受注が増加。機械は18年2月以来の大幅増。自動車・同部品は18年7月以来の大幅な伸びとなった
  • 統計の詳細は表をご覧ください

原題:U.S. Business-Equipment Orders Jump by Most Since Early 2018 (1)(抜粋)
U.S. June Durable Goods Orders Rise 2%; Est. Up 0.7%(抜粋)