総務省が15日発表した人口推計によると、65歳以上の高齢者は同日時点で前年より32万人多い3588万人、総人口に占める割合は0・3ポイント増の28・4%と、いずれも過去最高を更新した。16日の敬老の日を前に集計した。平成30年に仕事に就いていた65歳以上は最多の862万人。就業者全体の12・9%で、空前の人手不足を支える重要な戦力になっている。

 世界的にみると、65歳以上の割合は2位のイタリア(23・0%)、3位のポルトガル(22・4%)を引き離し、突出して高齢化が進んでいる。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、この割合は今後も上昇し、令和7年に30・0%、22年には35・3%に達する。社会保障制度の見直し、買い物や移動といった生活の支援拡充が急務だ。

 推計は平成27年の国勢調査を基に、その後の出生・死亡者数、出入国者数を反映させた。総人口は1億2617万人で、うち65歳以上は男性が1560万人、女性は2028万人だった。

 年齢区分別は70歳以上が2715万人で前年から98万人増えた。団塊の世代(昭和22~24年生まれ)が含まれ、ほかの年齢区分に比べ増加数が多かった。80歳以上は1125万人、90歳以上は231万人、100歳以上は7万人いた。

 一方、平成30年の労働力調査によると、65歳以上の就業者は15年連続で増加。男性は512万人(就業率33・2%)、女性は350万人(17・4%)だった。

65歳以上の高齢者雇用、非正規が76%