総務省が15日発表した高齢者の就業状況によると、雇われて働く65歳以上の4人に3人は非正規だった。「自分の都合で働きたい」「家計の補助を得たい」といった理由が目立つ。65歳を過ぎて元気な人もいれば、年金や貯蓄では不十分で働かざるを得ない人もいるとみられる。

 抽出世帯から調査票を回収、集計する労働力調査の平成30年分を改めて分析した。65歳以上の就業者で、自営業主や会社役員を除き、雇用されて働くのは469万人。

 うちパート・アルバイトや契約社員、嘱託などの非正規が358万人と76・3%を占めた。

 非正規を選んだ理由は「都合のよい時間に働きたい」が男性29・8%、女性38・1%でともに首位。「専門的な技能を生かせる」は男性で2位、女性では3位、「家計の補助・学費を得たい」は女性の2位、男性は3位だった。

 「正規の職員・従業員の仕事がない」は男性で4位の11・8%、女性は6位の5・0%にとどまった。非正規で働く高齢者は10年で200万人以上増加。総務省の担当者は「高齢でも働き口があることを示している」とみているが、転倒事故といった労災防止など高齢者にも配慮した職場環境づくりが課題だ。