• 「普通のリセッション」で利回りゼロも-JPモルガンのロイズ氏
  • 米政治リスクと世界の過剰貯蓄も要因か-ゼロ付近利回りの長期化

低インフレと利回り低下が長期化する「日本化」の波は既に欧州を飲み込んだが、米国まで到達する可能性がある。

「日本化」は今年の主流となり、利回りがマイナスの債券は記録的な規模に達した。欧州の量的緩和(QE)と低金利政策は、銀行の利益と退職者の貯蓄を犠牲にして、域内の債券に高いリターンをもたらした。状況は日本の失われた10年を想起させる。

米国でも、「普通のリセッション(景気後退)」に陥るだけで債券利回りはゼロになるかもしれないと、JPモルガン・チェースの長期投資戦略担当の上級顧問、ジャン・ロイズ氏は指摘した。

Global yields have steadily declined over the last 30 years

先週発表された雇用統計が強かったため、米景気悪化が差し迫っているとの懸念は後退したが、イールドカーブは既に景気後退の可能性を示唆した。それが現実化すれば、米連邦準備制度は日本と欧州に追随し、金利をゼロにしQEを再開することがあり得るとロイズ氏はみている。

さらに米政治リスクと世界の過剰貯蓄を考えれば、「ゼロ付近の債券利回りは何年も続く」と同氏は述べた。

米当局者もこのシナリオを懸念している。 ブレイナード連邦準備制度理事会(FRB)理事は、政策金利をゼロとしたシナリオで短中期の利回りを抑えるための資産購入のアイデアにも言及した。

Death of bond volatility in Europe a warning to interest rate traders

原題:

Japanification the Scourge Threatening to Go Global in 2020 (1)(抜粋)