米民主党は10日、トランプ米大統領の弾劾条項として権力乱用と議会妨害の2項を発表した。来週にも下院本会議で採決の運びとなりそうだ。

下院司法委員会のナドラー委員長は、トランプ氏が自分の再選を有利にするために外国政府に支援を求めたこと、さらに議会による調査を「例外なく頑として妨害した前例のない行為」に及んだことは、憲法が定める「重罪と軽罪」に該当すると発表した。

ナドラー委員長と情報特別委員会のシフ委員長が発表した概要によれば、トランプ氏は大統領としての立場を使って、就任したばかりのウクライナ大統領に圧力をかけ、自分の個人的、政治的利益のために政治的動機に基づく調査を発表するよう要求した。

シフ委員長は「大統領が不正行為に及んだ証拠は圧倒的に強力で、反論の余地がない」と議事堂で述べた。2020年に自由で公正な選挙を実施できるかどうかという問題の「核心に関わる」と続けた。

ナドラー委員長によれば、弾劾条項は今週、司法委員会で取り上げられる。下院本会議での採決は来週に設定される可能性が高い。弾劾裁判が開かれる上院は、共和党が過半数を占めており、大統領が罷免される可能性は低い。

原題:Democrats to Impeach Trump for Abuse of Power, Obstruction(抜粋)