台湾で11日投開票された総統選で、現職の蔡英文氏(与党・民主進歩党)が最大野党、国民党の韓国瑜・高雄市長を相手に地滑り的勝利を収めた。蔡総統は2期目を務めることとなる。親中派の韓氏が敗れ、中国には打撃となった。

  蔡氏は過去最多の約820万票を獲得し、得票率は57.1%。韓氏は550万票で、同38.6%だった。民進党はまた、議会の過半数も維持した。

  民進党は台湾独立を掲げており、蔡氏は自身が総統である限り、中台統一はないと主張してきた。同氏の得票は16年の総統選で獲得した690万票を超えた。台湾の底堅い経済と株式市場のほか、香港の支配を狙う中国への抗議活動が、蔡氏への追い風となった。

  蔡氏は台北での勝利演説で、有権者が「民主主義の価値を実現した」と語り、世界は台湾をパートナーと見なすべきだと主張。中国には対等の立場で台湾との対話・交渉を再開するよう促した。中台が交流に向けた「持続可能で健全な」アプローチを構築できるよう望むとも話した。

Taiwan Heads to Polls In Presidential And Legislative Election
会見する蔡総統(1月11日)

  台湾を自国の一部と見なす中国は、16年の蔡氏初当選以降は「一つの中国」を認めない蔡政権との関係を断絶、台湾を一段と孤立させる路線を進めている。

  中国国営の新華社通信は今回の選挙について、「蔡総統と民進党は票を得るため、不正や抑圧、脅しなどの汚い戦略を使った」とし、「西側の反中国の政治勢力はあからさまに台湾の選挙に介入、中国を封じ込め中台がより近づかないようにするため、蔡氏を支持した」と論評した。

原題:Tsai’s Record Victory Moves Taiwan Further From Xi’s Grasp (3)Tsai Wins Second Term in Landslide as Voters Stand Up to Beijing(抜粋)