今朝ニュースを見ながら一人でホホっと頷いていた。思わず笑みが浮かんできた、「面白い!」。問題の記事は産経新聞が伝えたもの。「都知事選、山本氏擁立も 立民・長妻氏」とある。記事によるとこれは、23日夜のBS日テレ番組で語ったものだ。長妻氏は現在、立憲民主党の代表代行である。山本氏と立民・枝野代表は端からみてもうまくいっていない。消費税の5%への引き下げを同代表が受け入れないからだ。このため来るべき総選挙での協力関係づくりが遅々として進まない。それを見越してだろう。都知事選の野党統一候補なら共闘できる。長妻氏、なかなかいいセンスをしている。

個人的にれいわ新選組に全面的に同調しているわけではない。だが、山本代表の主張は混迷する日本の内政、とりわけ経済運営という点では日本を代表する最大のプロパガンダと思っている。折から、月刊文藝春秋2月号には、「『消費税ゼロ』で日本は蘇る」と題した同代表の論文が掲載されている。いくつか勝手に引用しよう。「日本は今、生きていくのに、まったく希望が持てない社会なのです。結果、毎年2万人以上が自殺し、50万人以上が自殺未遂している。そんな地獄のような世の中はもう終わりにしたい」。「日本という国は20年以上にわたり、人々に投資をしないドケチな国でした。IMFのデータをみると、1997年から20年間の政府支出の伸び率は、戦争・紛争中の国々を除いた140カ国以上の国の中で、堂々の最下位です」

このほか税金は取れるところから取れ、大金持ちの所得税が安すぎる、政府の借金は民間の資産、アベノミクスはあまりにも中途半端などなど、個人的に納得できる主張が随所に盛り込まれている。気になる財源論はMMTに裏打ちされているが、そんなことより低所得者や弱者、生活困窮者の視点から政治を語っている。政治の一つの役割は弱者にどう手を差し伸べるかだ。これを語らせれば、いまはこの人の右に出る政治家はいないだろう。人を引き込む話術と複雑な経済問題をやさしく解説できる能力を備えている。本来なら国民民主党や立憲民主党が担うべき役割だが、彼らには上から見下ろす以外に弱者に寄り添う視線がみられない。山本れいわ代表が都知事選の候補になれば、政治が面白くなる気がする。