• G7財務相・中銀総裁が緊急電話会議へ、米ISM製造業50.1に低下
  • 下押し長期化とJPモルガン、J.ウェルチ氏死去、ツイッター急伸
Some pedestrians wear masks in the China Town area of Queens, Jan. 29, 2020.
Some pedestrians wear masks in the China Town area of Queens, Jan. 29, 2020. Photographer: Chang W. Lee/The New York Times via Redux

新型コロナウイルスへの対応を協議するため、主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁は3日に緊急電話会議を開催する方向です。各国の個別対応に次ぎ、国際的な枠組みも利用した政策支援への期待から、週明けの米国株は急伸しました。悲観論が飛び交う中、経済や金融市場にとってぎりぎりの局面が続いています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

世界が連携

G7財務相・中銀総裁が緊急電話会議を行うと、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。フランス経済・財務省によれば、会議はパリ時間午後1時(日本時間午後9時)に始まる。ルメール仏財務相は、G7財務相が効果的に対応するには「可能な限り協調した」姿勢が不可欠だと指摘した。また国際通貨基金(IMF)と世界銀行は、新型ウイルス問題への対応で「可能な手段を最大限利用する」との共同声明を発表した。

転落の危機

供給管理協会(ISM)が発表した2月の製造業総合景況指数は50.1に低下し、活動の停滞を示す水準(50)付近となった。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、米経済も悪影響を免れないとの懸念が強まっている。特に落ち込んだのは生産指数で、低下幅は2018年以降で最大。入荷遅延指数は57.3に上昇。同指数は50を上回ると入荷が遅れていることを示す。新型ウイルスによる供給面での混乱が影響した可能性がある。

長期化を見込む

新型コロナウイルス感染拡大の不安が投資家心理の重しとなって株価への下押し圧力は長期化し、力強い回復は遅れる。JPモルガン・チェースのストラテジストらが予想した。ミスラフ・マテイカ氏らは「ウイルス感染拡大は続く公算が大きく、より広範な経済活動の落ち込みが見込まれる」と指摘。株価が持続的に回復しS&P500種株価指数が再び最高値を更新するには、感染増加がピークに達する必要があるだろうと指摘し、それは4-5月になると予想した。

世界の経営者に影響与えた

米複合企業ゼネラル・エレクトリック(GE)の元会長兼最高経営責任者(CEO)、ジャック・ウェルチ氏が死去した。84歳だった。経営効率化を推進し、GEを世界最大クラスの企業に育てた同氏は、数世代にわたってビジネスリーダーに影響を与えた。ただ引退後、GEでは不正会計問題が浮上。力を入れた金融分野への参入が裏目に出て、後にGEを破滅寸前に追い込むなど、そのレガシーには汚点も残った。

ツイッター創業者の更迭論も

ツイッターの株価が急伸し、一時は11%高となった。アクティビスト(物言う投資家)がまとまった規模の株式を取得し、同社を創業したジャック・ドーシーCEO更迭の可能性を含め、戦略変更を取締役会に要求したとブルームバーグが報じた。ドーシー氏が現在ツイッターとモバイル決済サービス会社スクエアのCEO職を兼務し、両社間で時間を振り分けていることなどを問題視している。

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