今週は、あれから2週間目に入る。安倍首相は先月末、首相官邸で開催された「新型コロナウイルス対策本部」の会合で、2日から全国の小中高に対して臨時休校を要請する考えを表明した。休校措置は1週間が経過した。子供のいる親はさぞかし大変な1週間だったと思う。これからも休校が続く。誰しもが「この状態はいつまで続くのだろうか?」、そんな思いを抱きながら過ごしていることだろう。安倍首相は確か、「この1−2週間が瀬戸際になる」と言っていた。今週末には何らかのメドがつくのだろうか。連日のメディアの報道を見る限り、先はまだまだ見えない、そんな雰囲気だ。

首相が強調したのは「瀬戸際」という言葉だ。この言葉は国の「専門家会議」がちょっと前にまとめた「見解」に盛り込まれている。首相はそれを引用したのだろう。専門家会議の見解をみると「この1~2週間の動向が、国内で急速に感染が拡大するかどうかの瀬戸際であると考えています」とある。ここにも1〜2週間がどこまでか、具体的な指摘はない。それはともかく「瀬戸際」とはどういう意味だろう。改めてググってみた。「勝つか負けるか、成功か失敗か、生きるか死ぬかなど、運命のわかれめ」とある。要するにテレビなどでしばしばお目にかかる、「感染症流行モデル」のピークを低く抑えることを目指した表現だ。

同じような言葉に「山場」というのがある。こちらは「ものごとの絶頂とか、クライマックス」を指している。プロ野球で「勝負を分ける最大の山場が来ました」とアナウサーが絶叫するあの山場だ。「1〜2週間が山場」といえば、明らかに今週中に結論が出るというニュアンスが込められている。だが、専門家会議はそうは言っていない。あくまで今週は「瀬戸際」、要するに「分かれめ」に過ぎない。今週末に少し見えてくるのはピークの時期ぐらいか。それすらわからないかもしれない。休校に限らずイベントやスポーツ、旅行や会議など、感染防止対策はまだまだ続く。そうこうするうちにオリンピック開催の最終判断期限である5月末を迎えることになるのではないか。出口はまだ見えない。