11日のニューヨーク外国為替市場では円が上昇。世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスはパンデミック(世界的な大流行)となったと宣言したことを受けて米国株が急落、円は逃避需要で買われた。ポンドはもみ合い。イングランド銀行(英中央銀行)が緊急利下げに踏み切った後、英政府は300億ポンド(約4兆円)規模の経済対策を発表した。

  • ニューヨーク時間午後4時45分現在、ドルは対円で1%安の1ドル=104円55銭。一時は1.5%安の104円10銭を付けた。円は主要10通貨に対して全面高
    • ドル・円相場は今週に入って値動きの大きい展開となっており、9日に円が対ドルで2016年以来の高値を付けた後、10日はドルが円に対して13年以来の大幅上昇となった
    • IG証券の石川順一シニアFXストラテジスト:
      • ドル・円のインプライド・ボラティリティー(IV)が高まっていることを踏まえれば、ドルが対円で1週間内に急落するリスクは十分残っている。テクニカル的な支持水準の100円68銭を割り込んで100円に達するかどうかが焦点
  • ダウ工業株30種平均は5.9%安。投資家はトランプ米政権の経済刺激策案の詳細を待っている。同氏は11日夜にウイルスに関する決定を発表すると明らかにした
    • イタリアでは新型コロナによる死者数が31%急増したと報告。WHOは新型コロナがパンデミックになったと宣言し、中国以外の感染例が13倍に増加したことも明らかにした
  • スナク英財務相は300億ポンド規模の経済対策を発表。これより先、イングランド銀は0.5ポイントの緊急利下げを実施した。欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、新型コロナ感染拡大に対して首脳らが緊急に行動しなければ、欧州は金融危機時と同様の重大な経済的ショックに直面するリスクがあると警告していた。
  • ポンドは対ドルで0.7%安
  • 主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.3%高。ドルは主要10通貨に対して高安まちまち
    • ナットウェスト・マーケッツのマクロストラテジスト、マンスール・モヒウドディン氏:
      • 「米政府の行動が遅れていることで、米金融当局に来週の会合で再度利下げするよう新たな圧力がかかる。それはドルにとってマイナスだ」
  • ユーロは対ドルでほぼ変わらずの1ユーロ=1.1276ドル
Sterling fluctuates between gains and losses after BOE cut rates

原題:Yen Climbs, Stocks Fall as WHO declares a Pandemic: Inside G-10(抜粋)