【ワシントン時事】トランプ米大統領は1日、中国当局が公表した新型コロナウイルスの感染者数や死者数について「いささか少なめの数字のようだ」と述べ、必ずしも実態を反映していない可能性があるとの見方を示した。ホワイトハウスでの記者会見で語った。

新型コロナ感染36人増 「無症状」は計1367人―中国

 当局公表の数値で、米国の感染者数と死者数はいずれも中国を上回っている。米ブルームバーグ通信は1日、米情報当局が「中国の公表する人数は実際より少ない」と結論付け、ホワイトハウスに報告したと報道。トランプ氏は会見で、そうした報告を受けていないと説明するとともに、公表数値の正確さに対する踏み込んだ論評を避けた。

 また、中国が他の感染拡大国へ防護マスクなどを送付していることに関し、トランプ氏は「中国が他国を助けるなら、大いに賛成する」と表明。その上で「わが国も近く(国内で)必要とする以上の人工呼吸器を製造し、イタリアなど世界へ配る」と対抗意識をにじませた。

 新型コロナウイルスによる死者数をめぐっては、共和党のサス上院議員が1日の声明で「米国の死者が中国より多いのは間違いだ」と断じるとともに「中国共産党は体制を守るため、これまでも、そしてこれからもうそをつき続ける」と糾弾。米政界で保守系議員を中心に、中国当局による発表の信頼性を疑問視する声が上がっている。