[ニューヨーク 3日 ロイター] – ニューヨーク外為市場ではドルが主要通貨に対して上昇した。ドル上昇は3日連続。新型コロナウイルスの感染拡大による経済への影響が一段と深刻化する中、安全資産としてのドルに買いが入る状況が続いている。 

終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数=USDは0.4%高の100.61。週初からは2.3%上昇した。 

テンパス(ワシントン)のトレーディング担当バイスプレジデント、ジョン・ドイル氏は「英国やイタリアなど欧州で低調なデータが発表される中、安全資産とされる米国債とドル以外に資金を移す先はない」と述べた。 

米労働省が朝方発表した3月の雇用統計は非農業部門雇用者数が前月から70万1000人減と、前月の27万5000人増からマイナスに転じ、市場予想の10万人減を大幅に超える落ち込みとなった。失業率は4.4%と、前月の3.5%から悪化。0.9%ポイントの上昇は、1カ月の上昇としては1975年1月以来最大となる。 

キャピタル・エコノミクスのシニア米国エコノミスト、アンドリュー・ハンター氏は 「3月の非農業部門雇用者数が大幅に減少したことは、新型ウイルスの感染拡大による経済への影響が予想より早く顕在化し始めたことを示している」と述べた。ただ、ドル相場には大きな影響は出なかった。 

ユーロは対ドルEUR=EBS0.4%安の1.0810ドル。週初からは2.9%下落した。円は対ドルJPY=EBSで0.5%安の108.42円。スイスフランCHF=EBS、英ポンドGBP=D3、豪ドルAUD=D3、ニュージーランドドルNZD=D3も総じて対米ドルで下落した。