ニューヨーク州政府はきのう、「抗体検査」を始めたと発表した。外出制限の緩和や経済活動の再開に向けた判断材料の1つとする考え。検査の対象となるのは無作為に選ばれた住民3000人で、地域の食料品店などに検査所が設けられ、指から血液を採取する。州の保健当局によると、1週間ほどで結果がわかるという。クオモ知事は「検査の結果から実際に感染した人の人口に対する割合がわかり、これらの人は当面、ウイルスへの免疫があると考えられる。外出制限の緩和や経済活動再開の時期を判断する上でのデータになる」と説明している。以上はNHKが伝えたもの。
抗体検査によってウイルスに免疫があるかどうか判断できる。ただ現在の技術では、新型コロナに特定した抗体かどうかまでは判定はできない。ここが問題で、検査導入に慎重な国もある。オランダは積極的で、すでに子どもを含む約6000人を対象に抗体の研究を始めている。イギリスは検討中だが、実施までにはまだ時間がかかるという。フランスは慎重だ。日本は実施の方針を決めており準備をはじめている。慎重派は検出されるウイルスが、コロナに限定されていないことを問題視している。NHKによるとフランスは「本当にウイルスに感染しないのか、抗体がどのくらいの期間有効なのかなど不明な点も多く、抗体検査の信頼性も高くない」として、慎重姿勢を崩していないとされる。
素人から見るとどちらが正しいのか分からない。PCR検査はゲノムの一部を拡大して見える化したものだが、検査装置の設定条件を変えると違った答えが出ると言われている。PCR検査にも問題がありそうなのだが、日本のメディアはそこを無視して「検査数が少ない」と、徹底的に政府の対応を追求している。個人的にはPCR検査を韓国並みとはいわないまでも、もっともっと増やすべきだと考えている。ただ、PCR検査だけで問題が解決するとも思っていない。だが日本では上も下も、右も左も数を増やせの大合唱になる。科学的知見を無視した付和雷同的一体感。そこになんとなく“違和感”を感じるのだ。抗体検査が同じ轍を踏まないか気になるが、それでも、この際、やるべきだと思う。
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