[ローマ 1日 ロイター] – イタリアは1日、プライバシーの保護を巡り懸念されている新型コロナウイルスの感染経路を追跡するアプリを国内4州で導入した。

イタリアは5月上旬以降、徐々に移動制限を緩和し、事業活動の再開に動いているが、社会的距離を確保する規則が守られなければ再び感染が急増しかねないとの懸念がある。

追跡アプリは利用者同士が接近した際にブルートゥース技術を通じてコードを交換することで記録を作成し、感染拡大のリスクを抑えるのが狙い。感染者との接触が判明すれば、接触者に自主隔離と検査を行うよう通知され、保健当局の迅速な対応が可能となる。

全国的な展開前にアプリが試験導入されたプーリア州の新型コロナ対策本部責任者は、ロイターに対し「バスで感染者の隣に座った人を特定することができるようになる」と述べた。 同アプリを巡ってはプライバシーが侵害されるとの懸念の声が上がっているが、政府は位置情報など利用者の個人情報は収集されないとしている。

アプリの試験はプーリア州のほか、リグリア州、アブルッツォ州、マルケ州で8日から開始される。