An employee wearing protective gloves and a mask clears off a table at a winery in California.
An employee wearing protective gloves and a mask clears off a table at a winery in California. Photographer: David Paul Morris/Bloomberg

ADPリサーチ・インスティテュートが3日発表した5月の米民間雇用者数は、市場予想より小幅な減少にとどまった。新型コロナウイルス感染拡大に伴う労働市場への打撃に関し、最悪期を脱した可能性が示唆された。

キーポイント
・5月の米民間雇用者数は前月比276万人減
 ・ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は900万人減
 ・前月は1960万人減に修正
U.S. employment drops less than forecast; small firms' job losses moderate

  ホワイトハウスの経済アドバイザーを務めるケビン・ハセット氏はFOXビジネスのインタビューで、「良い意味で、予想していたよりずっと少なかった」と指摘。「非常に良い数字で、極めて明るいニュースだ。だが、何か特異な理由が隠れていないか細かく見てみる必要がある。前回の調査以降に発表された失業保険申請件数を単純に合計した数字とかけ離れているためだ」と述べた。

  雇用の減少は小規模事業者でより緩やかだった。小規模事業者の多くは、政府の給与保証プログラム(PPP)の支援を受けた。従業員50人未満の企業は43万5000人減。大企業は160万人減、中規模企業は72万2000人減った。

  ADP統計は毎月12日までに集計したデータに基づいていることから、新型コロナによる労働市場への影響を完全には反映していない。

  ADPリサーチの共同責任者アフ・ユルドゥルマズ氏は発表文で、「新型コロナ危機は引き続きあらゆる規模の企業に重くのしかかっている」と指摘。その上で、「労働市場はパンデミック(世界的大流行)の影響で動揺が続いているが、雇用喪失は4月にピークを付けた可能性が高い。多くの州が段階的に事業活動を再開し始めている」と説明した。

  5月は、パンデミックの影響を特に大きく受けたサービス部門の雇用が197万人減。財生産部門は79万4000人減。製造業で71万9000人減った。

原題:Firms Cut Fewer U.S. Jobs Than Forecast in May, ADP Data Show(抜粋)