[5日 ロイター] – 米労働省が5日発表した5月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月から250万9000人増となったほか、失業率も予想外に改善した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による景気後退が底打ちした兆しを示した。市場関係者のコメントは以下の通り。 

●完全に想定外、雇用市場の急速な回復示唆 <ソシエテ・ジェネラル(ニューヨーク)の米金利戦略部門責任者、スバドラ・ラジャッパ氏> 完全に予想が外れた。これまでの数週間、債券市場で見られていた売りが正当化された格好だ。 
 正しい方向に向けた極めて大きな一歩で、少なくとも雇用市場が予想より速いペースで回復する可能性が高いことが示された。 

●あまりにも奇妙、検証の必要 <インバーネス・カウンセル(ニューヨーク)の最高投資ストラテジスト、ティム・グリスキー氏> 一時帰休された労働者は失業者に数えられるのか。今回の結果はあまりにも奇妙だ。より詳細な情報が必要だ。これまで見たところ、奇妙としか言いようがない。
 額面通りに見れば、4月にあれほど悪化した後に、5月に企業は大量に採用したということだろうか。理解に苦しむ。 
 悪魔は詳細に潜んでいる。市場は好意的に反応した。額面通りに受け止めれば、プラス要因だ。ただ今回の雇用統計は内容を検証する必要がある。 

●転換点迎えた可能性 <パイパー・サンドラー(シカゴ)の債券戦略・分析部門責任者、ジャスティン・フーゲンドーン氏> 間違いなく皆が望んだ結果だ。転換点を迎えた可能性がある。 
 米債市場にはボラティリティーの拡大をもたらすだろう。米連邦準備理事会(FRB)は金利を低下させてきた。金利に上昇圧力がかかればボラティリティーが拡大する。長期間見られなかった良好な経済指標により、ボラティリティーはやや悪化するが、市場にとっては健全なものになるだろう。