新型コロナウイルスの第2波感染拡大懸念が強まる中で、永田町には解散総選挙をめぐる様々な思惑が乱れ飛んでいる。最近の政局がらみのニュースは数こそ多くないものの、これに関連したものが結構あるように思う。個人的には以前から解散・総選挙は今年の秋口、解散の大義名分は「消費税減税」と考えている。これといった根拠があるわけではない。個人的な妄想による予測といったところだ。強いて理由をあげれば安倍・麻生会談が水面下で頻繁に行われているとメディアが報道していること、財務省の次期事務次官に太田主計局長の昇格が決まっていること、自民党の若手に消費減税を求める声が強まっていること。毎日ニュースを読みながら妄想を逞しくした結論でもある。

日本経済の最大の問題点はバブル崩壊後の不適切な政策によって、経済の基礎的構造が完全にデフレ体質に転換してしまったことだ。平成という時代は天皇が退位することによって終わり、令和という新しい時代に移行した。令和に課された経済的な課題ははっきりしている。平成の時代に崩れてしまった基礎的構造を本来あるべき姿に戻すことだ。その際の最大のポイントは、人々の間に浸透したデフレマインドを払拭すること、これに尽きるのではないか。安倍首相は就任早々、デフレからの脱却を1丁目1番地の政策課題に掲げた。長期政権のスタートとしては極めて真っ当な政策課題だったと思う。アベノミクス、超大規模な金融緩和、成長戦略の追求など、旗印としては極めて真っ当だったといまでも思っている。ところが消費税の導入に踏み切ったあたりから雲行きが怪しくなった。

何がいけなかったのか。政権スタート当初の思いはいつの間にか雲散霧消し、そのあとは財政再建と経済再生の二兎を追う政策に転換したことだ。要はアクセルを踏みながら同時にブレーキを踏み込んだのである。結果は言うまでもない。財政再建もデフレ脱却も果たせないまま、新型コロナ対策としての巨額の財政出動に追い込まれたのである。この際やるべきことは初心に戻って経済の基礎的構造の再転換を図ることだ。そのためにはまず消費税減税(ゼロにするのが一番いい)に踏み切って、消費者の懐を温める政策を推進することだ。コロナ対策として思い切った財政出動を実施した。これに消費税減税が加われば、需要喚起対策としてはかなりインパクトを持つことになる。時間が経過すれば必ず物価が上がり始めるだろう。その時は消費税増税の出番だ。以上、妄想由来の「骨太の方針」である。