[31日 ロイター] – 世界保健機関(WHO)は、国際的な渡航制限を緩和する国にリスクがないということはないと述べ、引き続き緊急事態に対応する必須の渡航を優先するべきだと述べた。 

WHOは各国が待ち望んでいた渡航に関する最新の指針で、緊急事態や人道支援、必須人員の渡航、本国送還が「必須の渡航」に当たると指摘。WHOはホームページに30日掲載した指針で「国外渡航に関しては、感染者が往来している可能性を踏まえると『ゼロリスク』ということはない」と述べた。 

世界の多くの地域で感染者が増える中、一部の国は入国者に対する検査や隔離措置などの渡航制限を再び導入した。 

WHOは6月に、渡航に関する指針を北半球の夏季休暇前に更新するとしていた。 

WHOの指針は各国の政府や産業が方針を定めるために利用できるが、強制力はない。 

新たな指針は従来から大きく変わらず、ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)やマスクの着用、手洗い、顔を触らないことなど、渡航以外の場面にも適用できる事項も含まれている。 

WHOは各国に対して、渡航制限を緩和もしくは解除する前に独自で危険性と利益を分析するように促した。現地の疫学や感染傾向のほか、すでに導入されている保健衛生や社会的距離の対策を考慮するべきだとした。 

全ての入国者を隔離する国は、まずリスクを査定し現地の状況を判断した後に措置を導入するべきだと述べた。 

「各国は常に、検査や追跡、入国した感染者の隔離と管理、接触者の隔離が急増した場合に備えて計画し、状況を査定するべきだ」とした。 

WHOは今週、渡航制限は永久的な措置であってはならないとし、各国は国内で新型コロナの感染拡大を抑えるための努力を強化するべきという見解を示した。