[11日 ロイター] – 米食品医薬品局(FDA)は11日、米ファイザーと独ビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスワクチンの緊急使用許可(EUA)を巡り、「迅速に処理」していると表明した。米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、早ければ11日夜にもEUAを発行する可能性があるという。

NYTは11日、関係筋の話としてこの日夜までにEUAが発行される可能性があると報じた。前日には12日に発表されると伝えていた。

こうした中、メドウズ大統領首席補佐官がFDAのハーン長官に11日中の承認を求めたことが、政府関係者の話で分かった。メドウズ氏は冗談口調で、できないのなら辞任を覚悟した方がよいとも語ったという。ホワイトハウスからのコメントは得られていない。

FDAの諮問委員会は10日、緊急使用への支持を賛成多数で決定。最終的な承認を経て、14日か15日にも米国で初のコロナワクチン接種が始まる可能性がある。

アザー厚生長官はABCニュースに対し、数日中に承認が下りる見通しで、連邦政府は会社側と協力してワクチンの配布に尽力すると述べた。

米政府はこれまでにファイザー製ワクチンを1億回(5000万人)分発注しているが、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、政府はさらに1億回分の確保を目指している。

アザー長官は、ファイザーや米モデルナの製造能力向上を支援するため、連邦政府の権限を活用する用意があると、FOXビジネス・ネットワークに語った。

ファイザーは16─85歳を対象にFDAに使用許可を申請。諮問委の複数のメンバーは16─17歳の若者はコロナによるリスクが低く、臨床試験のデータもほとんどないため、対象に含めるべきかどうかを議論したが、最終的に含めることに賛成票を投じた。

ファイザーの広報担当はEUAの取得時期について予想できないと述べた。

一方、CVSヘルスとウォルグリーン・ブーツ・アライアンスは最初のファイザー製ワクチンを12月21日に長期介護施設の入居者に提供すると発表した。