英国で発見された新型コロナウイル種の変異種。世界中に様々な問題を投げかけている。フランス政府が21日から2日間にわたって物流を止めたため、フランス国内で生鮮食料が不足するなど、野菜不足が顕在化した。英仏首脳が急遽電話会談し、当面の混乱収集を図ったが、両国間の混乱は長引く可能性もある。物流以外にも接種がはじまったワクチンが変異種に効くのか、世界中で不安が高まっている。こうした中でファイザーとビオンテック、モデルナなどワクチンの製薬メーカーが変異種に対する効果を検証する試験を開始した。ビオンテックのサヒンCEOは、「効果がある」と自信を見せる。科学的に効果が確認できれば安心できる。だが検証には「2週間の時間が必要」(ロイター)と同C E Oは発言している。

ワクチンはどうやってウイルスに効くのか、ニュースで探してみた。 英製薬大手アストラゼネカは22日、同社が英オックスフォード大学と共同で開発しているワクチンが変異種に対しても効果があるとの認識を示した。同社の広報担当によると変異種について確認されている遺伝子の変化が、体内に侵入する上で重要な役割を果たす「スパイクタンパク質」の構造を変化させているようには見えず、同社のワクチンが変異種に対しても効果を発揮するだろうと説明した、とロイターは伝えている。感染はウイルスの突起しているタンパク質(スパイク)が人体の細胞と結合して起こる。このスパイクタンパク質が人体の細胞と結合しないようにしたのがワクチンだ。アストラゼネガの説明は、変異種のスパイクタンパク質に構造変化は見られない、だからワクチンは効くというものだ。

いずれにしても2週間の検証結果を待つしかない。ワクチン以前の問題としては、この変異種の感染が異常に速いということだろう。フランスは考える間もなく英国との人流と物流を止めた。結果的に国内で生活必需品の不足が発生。市民生活が大混乱に陥った。世界の40カ国以上が英国との人と物の流れを止めた。日本は24日以降日本人以外英国からの入国は禁止する方針のようだ。トランプ政権の米国は禁止しないとしている。未知なるものに対する恐怖感は必要以上に大きくなる。それはわかるが 、WHOもいまのところ「変異種が従来と異なる証拠はない」としている。英国で発見された変異種をめぐって世界中で起こっているこの騒動、冷静に考えれば「過剰反応…」ではないか。自宅に引きこもりながらそんな思いが頭をかすめた。