[ワシントン 25日 ロイター] – 米議会上院はイエレン前連邦準備理事会(FRB)議長が財務長官に就く人事案を賛成84票、反対15票の圧倒的賛成多数で承認した。女性初の米財務長官となる。

反対票は全て、共和党議員が投じた。バイデン大統領の1兆9000億ドル規模の新型コロナウイルス景気対策に懸念を示していた議員が含まれた。景気対策を巡る議会との調整や制裁政策の見直し、金融規制の強化がイエレン氏の優先課題となる。

シューマー民主党上院院内総務は、イエレン氏は7年前に女性初のFRB議長に就任したのに続き、再び歴史を塗り替えたと称賛した。

イエレン氏は新型コロナ景気対策だけでなく、インフラや再生可能エネルギー関連事業、米国の競争力向上に向けた教育や研究に2兆ドルを投じる計画でも、議会との調整役を果たすことになる。

財源確保に向け、法人税率を21%から28%に引き上げ、年収40万ドル以上の高所得層に増税する計画も財務省が指揮を執る。

イエレン氏は先週の指名承認公聴会で最低賃金を引き上げる必要性を訴え、追加の新型コロナウイルス対策で「大きく行動」しなければリセッション(景気後退)の長期化と深刻化を招くことになると指摘した。

また、トランプ前政権が制裁措置を相次ぎ打ち出したのを受け、財務省が管轄する金融制裁政策を迅速に見直し、「戦略的かつ適切」な制裁の活用を図ると表明した。