今朝は大きなニュースが重なっている。バイデン大統領が就任して初めて習近平国家主席と会談したことに始まり、ミャンマーの抗議デモの拡大、北朝鮮の金正恩総書記が自分で作った政府を批判したという信じられないニュースも配信されている。このほか、自動車向け半導体不足に関する米政権の取り組み、暗号通貨の更なる拡大の動きなど、いずれも大きなニュースだ。そんな中で個人的に関心を持ったのは次のニュース。タイトルは「英国型コロナ、再び変異 ワクチン効果脅かす恐れ=科学者」というもの。ロイターが配信したもの。頭の部分を引用する。「英遺伝科学者は11日、同国で確認された初の新型コロナウイルス変異株が変異しており、いずれワクチンの効果を阻害する恐れがあるとし、懸念を表明した」とある。変異株も変異するのだ。その変異株もまた変異する。それがコロナウイルスの特徴だ。

この科学者は、新型コロナゲノミクスの英コンソーシアムのディレクター、シャロン・ピーコック氏とある。同氏はBBCに対し、ロンドン近郊ケントで確認された感染力の強い変異株について、ワクチンがこれまでのところ効果を発揮しているものの、「再び突然変異を始めており、ワクチンの効果を脅かす恐れがある」と警鐘を鳴らした。また、英政府の科学諮問委員会も9日、国内で新たに2種類の新型コロナ変異株が確認され、うち1種類は南ア型とブラジル型に類似しており、「懸念される」と発表している。何を懸念しているのかわからないが、これを受けてロイターは「ジョンソン首相は10日、ウイルスの突然変異に合わせ繰り返しワクチン接種が必要になるだろうと述べた」と追記している。記事によるとピーコック氏はこの変異株がいずれ「世界を席巻する」公算が大きいとの認識を示しており、新型コロナとの闘いが「今後10年ほど続くと想定する」と語ったといいうのだ。

問題は最後のくだり。コロナとの戦いが10年続くとすれば、このウイルスとの戦い方を根本的に見直さざるを得なくなるのではないか。政府は来週にも諮問委員会を開き、緊急事態宣言の解除が可能な都府県がないか再検討する方針を示している。目先的にはそうした対応を繰り返すしか方法はないと思うのだが、その裏で長期戦を覚悟した戦略の策定も必要になるのではないか。政府や諮問委員会を批判するつもりも嫌味を言うつもりもないのだが、何もかもがあまりにも急ぎすぎているようにみえるのだ。厚労省は今日(12日)、「薬事・食品衛生審議会」の専門部会を開きワクチン承認の可否を審議する。15日に「特例措置」を使って正式承認、17日にも接種が始まる。正式承認を待たずにワクチンはベルギーから14日に日本に到着する。コロナが大変なことは理解できる。だが、日本では人口100万人あたりの死亡者は直近で52〜53人である。10万人で5人、1万人で0.5人、1000人で0.005人。くどいようだが100人で0.0005人である。それもすべてがコロナとは限らない。過剰反応ではないのか。妙なことが気になった。