【北京時事】中国の第13期全国人民代表大会(全人代、国会に相当)第4回会議が5日午前(日本時間同)、北京の人民大会堂で開幕し、今年の経済成長目標を6%以上とする方針が李克強首相による政府活動報告で示された。中期的な経済目標を定めた第14次5カ年計画(2021~25年)については「経済の持続的で健全な発展を保つ」とされたが、期間中の目標設定を見送った。今年の国防予算は前年比6.8%増の1兆3553億4300万元(約22兆6000億円)になった。

5カ年計画正式採択へ 香港民主派排除討議―5日全人代開幕・中国

 今年の中国の経済成長は市場では8%程度と見込まれている。海外での新型コロナウイルスの感染状況や対米摩擦などを考慮し、中国政府は最低水準の目標を明示したとみられる。

 李首相は、5カ年計画に関し「発展の質・効率の向上に力を入れる」と述べた。活動報告は、習近平国家主席が提唱した内需拡大を柱に海外からの投資や貿易の促進を狙う「国内・国際双循環」モデルの推進を訴え、社会全体の研究開発費を年平均7%以上増やすと表明した。

 全人代は11日までの日程で、5カ年計画と合わせて35年までの長期目標も正式に採択する。長期目標は1人当たり国内総生産(GDP)を中等先進国並みに引き上げる方針が柱。長期目標は、習氏が最高指導者の地位を保ち続けるための布石という見方がある。

 李首相は、香港問題について「外部勢力からの干渉を断固として防ぐ」と強調した。「『香港住民による香港統治』の方針を貫徹し、国家安全維持のための法律・制度と執行メカニズムを実施しなければならない」と指摘。共産党の方針に従わない民主派を徹底して排除する選挙制度を議論する。

 一方、国防予算の伸び率は予想されていた7%に届かなかったが、前年の伸び率(6.6%)を上回った。額は日本の21年度防衛予算案(5兆3422億円)の4倍強に達した。李首相は、軍創設100年となる27年に合わせた「奮闘目標」に言及し、軍事力の強化を図ると語った。

 全人代は例年3月5日に開かれる。昨年は新型コロナの感染拡大を受けて5月下旬に延期されたが、今年は7月に共産党創立100年を控えていることもあり、習指導部は日程の正常化に努めた。


 李首相は「感染症対策で重要な戦略的成果を挙げ、世界で経済のプラス成長を実現した唯一の主要経済国となった」と強調。脱貧困などを実現し、「歴史に刻まれる結果を出した」と自賛した。