商品相場がほぼ10年ぶりの高値に上昇した。主要国経済の回復で金属や食品、エネルギーの需要が強まる一方で、悪天候が農産物の収穫を損ない、輸送網のボトルネックが供給目詰まりを起こしている。

  原材料23品目の価格動向をまとめたブルームバーグ商品スポット指数は、4日に0.8%上昇し2011年以来の高水準。昨年3月に付けた4年ぶり低水準からは、70%を超える上昇となった。

  新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)から一部主要国の経済が脱却するにつれ、活気を取り戻した製造業では金属の需要が高まり、自動車の運転再開が広がるにつれエネルギー価格が押し上げられた。一方でブラジルや米国、欧州の穀倉地帯では乾燥した天候が影響し、トウモロコシや小麦、砂糖の価格が急騰。こうした農産物を中国が大量に買い占めている。ヘッジファンドは商品価格に強気な投資を強化し、インフレ高進への期待をあらためて示唆した。

  パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のポートフォリオマネジャー、グレッグ・シェアナウ氏はインタビューで、「景気見通しの改善が需要加速につながるという楽観的な見方は確かにある」と指摘。複数の商品先物価格の動向には供給のひっ迫が示唆されていると付け加えた。

原題:Commodities Jump to Highest Since 2011 on Rebound From Virus(抜粋)