【台北時事】台湾政府は15日、新型コロナウイルスの新規感染者が海外渡航歴のない人だけで180人に急増したと発表した。感染者は台北市と、隣接する新北市に集中しており、政府は両市を対象に感染防止対策のレベルを現行の「2」から「3」に引き上げた。台湾はこれまで感染拡大を効果的に抑制してきたが、コロナ禍で最大の難局に直面している。

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 蘇貞昌行政院長(首相)は記者会見で、「国民を守るため、一段と強い対策を打ち出す必要があった」と述べ、感染拡大阻止へ協力を訴えた。

 台湾では、接客を伴う台北・万華区の飲食店でクラスターが発生。15日の新規感染者のうち、2割超に当たる43人が同区に集中した。感染者急増の背景には、感染力の強い英国変異株の広がりや、PCR検査数の増加がある。

 対策レベルの強化により、今月28日まで屋内では5人以上、屋外では10人以上の集まりが台北と新北で禁止される。台湾全土で娯楽施設や映画館などの営業も禁じられる。市民生活や経済活動が大幅に制限されそうだ。