[サンクトペテルブルク/モスクワ 4日 ロイター] – ロシアのプーチン大統領は4日、米国で発生したランサムウエア(身代金要求型ウイルス)による攻撃をロシアと結びつけるのは愚かしく、今月中旬の米ロ首脳会談を前に波乱を巻き起こそうとする試みだと述べた。

サンクトペテルブルグ国際経済フォーラム(SPIEF)に出席しているプーチン氏は、ロシア国営テレビ「第1チャンネル」に対し、ランサムウエア攻撃にロシア政府が関与していたとの考えは「ナンセンス」だとし、「攻撃についてロシアを非難するのは愚かしい」と述べた。

米ホワイトハウスのサキ報道官は2日、バイデン大統領がランサムウエア攻撃による脅威の見直しに着手したと明らかにし、プーチン大統領と16日にジュネーブで行う会談でこの問題について取り上げると表明した。

プーチン大統領は、バイデン氏は経験豊かな政治家で、16日の首脳会談は前向きな雰囲気の中で実施されるとの見方を示したが、何らかの妥結が得られるとは予期していないと表明。米ロ関係の改善に道筋を付けることに主眼が置かれるとの考えを示した。

プーチン大統領はこれに先立ち、米国がドルを経済および政治戦争の手段にしていると批判し、ロシアが石油・ガス取引の決済にユーロなど他の通貨を使用する可能性があるとけん制。ロシアの石油企業がドル建てでの決済をやめれば、ドルの深刻な打撃になるだろうと述べた。

また、米国による対ロシア制裁は、米国内の政治競争によるもので、「謎だ」と述べた。米国がロシアの発展を阻止したいと公言しているとも述べた。