8日の米株式市場で、ベンチャー投資家チャマス・パリハピティヤ氏が支援する医療保険会社、クローバー・ヘルスの株価が前日に続く急騰を演じている。その背景には、空売りを仕掛ける機関投資家を敵視する個人投資家の買いがあるとみられる。

  クローバー株はこの日、一時109%高まで上昇。売買高は4億1900万株と過去最高を記録し、過去3カ月の1日平均の16倍余りとなった。

  突然の株価上昇は、クローバー株に対する空売りが膨らんでいるのに個人投資家が気づいたタイミングと重なっている。オンライン掲示板レディットの人気フォーラム「WallStreetBets」では今週に入り、クローバー株のショートスクイーズ(踏み上げ)の可能性が話題になっていた。

  クローバー株の空売りポジションは3月以降に着実に積み上がっており、S3パートナーズのデータによると、浮動株に占める空売り比率は現在42%となっている。またデイトレーダーらは、6月末に向けて予定されるラッセル指数の構成銘柄入れ替えで、クローバー株が指数に採用される可能性も取りざたしている。

  クローバーの担当者は株価の動きに関するコメントを差し控えた。

参考記事
米株式市場に「ガンマスクイーズ」か-大荒れの個別株、動かない指数
ゲームストップとAMC、ラッセル1000指数入りか-25日時価総額次第

原題:Clover Health Roars to Record as Short Sellers Get Burned (1)(抜粋)