米国債がさらに売られれば、住宅ローン関連のヘッジが活発化し、10年物利回りが1.43%を超えるとさらに加速する可能性がある。モルガン・スタンレーのストラテジストらはこのようにみている

  ストラテジストの計算によれば、住宅ローンのサービサーは利回りが1.43%になると、0.93%に低下した場合に比べてポートフォリオのデュレーションが2倍に伸びるため、それに対応してヘッジのための米国債売却(コンベクシティヘッジ)が必要になる。これは、利回りがさらに1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇するごとに10年物米国債47億ドル(約5200億円)相当の売り圧力となることを意味する。

  ストラテジストのアンドルー・シーツ、ジェイ・バコウ両氏は9日のリポートで、「投資家は米10年債をショートにすべきだと思う。利回りは年末までに1.8%に達すると予測している」とした上で、「利回りの上昇は、住宅ローンのコンベクシティヘッジのピークにつながるだろう」と指摘した。

  アジア時間10日の取引で10年債利回りは1.31%。

  利回りが上昇すると住宅ローンの借り手が借り換え意欲を失い、住宅ローン担保証券(MBS)ポートフォリオのデュレーションが事実上伸びることから、MBS投資家が期間長めの米国債を売ることでデュレーションを保とうとし、コンベクシティヘッジが起こる。

  約7兆ドルというMBS市場の規模からその影響は大きく、特に利回りがいわゆる「コンベクシティトリガー」に達すると米国債の売りが増幅される。ただ、現在は連邦準備制度がMBSのほぼ3分の1を保有していることから、影響はかつてほどではない。

原題:Treasury Yields Edge Closer to Convexity Hedging Trigger Levels(抜粋)