米国のバイデン大統領、英国のジョンソン首相、オーストラリアのモリソン首相は15日(米東部時間)、インド太平洋地域の安定に向けた新たな安全保障協力の枠組みを創設すると表明した。最初の協力案件として、米英が豪州の原子力潜水艦導入を技術面などで支援する。米国は日米豪印の協力枠組み「クアッド」と並ぶ対中戦略の柱に据える考えだ。

 新枠組みは、豪英米の順に国名の頭文字を組み合わせて「AUKUS」(オーカス)と名付けた。3首脳は15日夕(日本時間16日朝)にオンラインで共同記者発表に臨み、バイデン氏は「21世紀の脅威に立ち向かうための共通の能力を強化していく」と述べた。名指しは避けたが、軍事力を背景に南・東シナ海などで現状変更を試みる中国を念頭に置いているのは明らかだ。

 モリソン氏は「安全と安定のための協力関係を新しい次元に引き上げる必要がある」と強調した。

 バイデン政権には、日米豪印のクアッドとは別にオーカスを設け、対中包囲網を強固にする狙いがある。クアッドは新型コロナウイルス対策など安保以外でも連携を図るのに対し、オーカスは、対中安保に焦点を絞ったものと言える。

 今後は米英豪3か国の外交・国防高官による協議体を置き、軍事利用が進む人工知能(AI)やサイバー、量子技術などでも連携強化を進める方針だ。