【北京時事】中国の習近平国家主席は9日、北京の人民大会堂で開かれた辛亥革命110周年記念大会で演説し、台湾問題について「祖国を完全統一する歴史的任務は必ず実現しなければならず、必ず実現できる」と述べ、統一への強い意欲と自信を誇示した。習氏は来秋の共産党大会で異例の3期目入りが確実視されており、自らの手で台湾問題を解決する姿勢を示した格好だ。

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 習氏は演説で「『平和統一、一国二制度』という基本方針を堅持する」と強調。2019年の演説では「武力使用を放棄することは承諾できない」と言及したが、今回は武力統一の可能性に触れなかった。しかし、「台湾独立勢力は統一の最大の障害だ。祖国に背き国家を分裂させる者は、必ず人民に唾棄され歴史の審判を受ける」と述べ、独立志向の民進党・蔡英文政権をけん制した。

 さらに、「台湾問題は中国の内政問題であり、いかなる外部からの干渉も許さない。国家主権と領土保全に関わる中国人民の断固とした意志と強大な能力を見くびってはならない」とも指摘した。