[18日 ロイター] – 米ニューヨーク連銀のウィリアムス総裁は18日、米国ではより広範囲にわたってインフレが発生しており、将来の物価上昇に対する期待が高まっているとし、政策当局者はこの動向を注視していると述べた。

ウィリアムズ総裁はオンライン形式で実施した欧州中央銀行(ECB)のレーン専務理事兼主任エコノミストとの討論会で、現在の物価上昇はパンデミック(世界的大流行)と需給不均衡が一部要因になっているとしながらも、住居など他の部門でも上昇が見られていると述べた。

その上で「米国の基調的なインフレ率が高まっていることは間違いなく、われわれは注意深く観察することになるだろう」と指摘。短期および長期のインフレ期待の高まりはポジティブだが、当局は長期インフレ期待の大幅な高まりを望まないとした。

また、米経済がパンデミックの影響から急速に回復する中、「独特の状況下」で供給と需要が変化していると指摘。連邦準備理事会(FRB)は新たな金融政策の枠組みでこうした状況にうまく対応できるとの認識を示した。

中央銀行デジタル通貨(CBDC)については、FRBは利用可能な技術や必要な政策課題などを検証しているとし、「こうした全ての問題について考えるのはまだ早い」と述べた。