政府・与党は2022年度税制改正で、賃上げした大企業が優遇を受けるには、新規、非正規を含む従業員の給与総額の増額を条件とする検討に入った。賃上げが幅広く浸透する効果を期待する。

 今年4月に始まった現在の賃上げ優遇は、大企業の場合、新卒や中途採用など、新たに雇った従業員の給与を対象にしている。前年度比で2%以上増やした場合、支払った給与の15%分を法人税から差し引ける。

 対象となる従業員の給与の合計が20億円ならば、3億円の減税になる計算だ。ただ、対象が限られているので、企業がため込んだ利益を従業員に還元する動機付けが不十分との見方も出ていた。すべての従業員を対象にすることで、賃金の底上げを図る。

 中小企業の場合は、すでに従業員の給与総額を1・5%以上増やした場合に、増加分の15%分を差し引ける仕組みになっている。公明党は、控除率を30%に拡大したり、優遇対象に賞与を含めたりする案なども検討している。26日から本格化する自民、公明両党の税制調査会で議論する予定だ。

 岸田首相は、持続的な賃金の引き上げを税制面で後押しし、消費の拡大につなげたい考えだ。首相が議長を務める「新しい資本主義実現会議」は11月上旬の提言で、1人あたりの賃金の引き上げや税制優遇の拡充、非正規社員の給与を増やす必要性に言及している。