イギリスではとうとうコロナ変異株・オミクロン株の感染者が1日で10万人を突破した。ジョンソン首相は新たな規制措置を発動する方針で、クリスマスを間近に控えた同国を暗雲が覆いはじめている。厳しいのは英国だけではない。米国は簡易検査キッド5億個分の無料配布を急遽決定。さらに変異株による感染者の重症化回避を目的に経口薬の緊急使用を認めた。事態の急変に慌てふためきながら、次々と対策を打ち出している。デルタ株の感染をほぼ抑え込んだ日本でもきのう、オミクロン株の市中感染が確認された。低下傾向が続いていた感染者数も今週に入って前週比で増加傾向を示している。すわ、第6次感染のはじまりか。ちょっとしたデータの変化に人々が過敏に反応する。イスラエルではワクチンの4回目の接種が始まったという。終わりなきパンデミックに地球全体が振り回されている。

けさのニュースから慌てふためく世界の現状をピックアップしてみた。米国では食品医薬品局(FDA)が、ファイザー製の経口薬について、重症化リスクのある人を対象とした緊急使用(EUA)を許可した。英政府もファイザーとメルクが開発した抗ウイルス薬を数百万回分、追加で購入すると発表した。スペインは屋外でのマスク着用義務を復活させる方針。韓国では連日感染者が過去最高を更新しており、文在寅政権に対する批判が強まっている。市中感染が確認された日本でも河野太郎広報本部長が、「政府はブースター(追加免疫)接種を加速させるべきだ」と主張、厚生労働省の対応を暗に批判した。河野氏といえば前政権でワクチン担当だった人だ。ブルームバーグのインタビューで述べたものだが、コロナウイルスの感染拡大はどの国でも政権批判に直結する。

そんな中で気になるニュースが流れている。ネットで数日前から取り上げられていたものだが、きのうの夕方日テレNEWS24が取り上げた。中身は「中国・陝西省の西安で出血熱が発生したとして、地元の衛生当局が注意を呼びかけています。西安では新型コロナウイルスも感染が拡大していて、政府は同時流行に警戒を強めています」というもの。中国国営テレビなどによるとこの出血熱は感染性で、ネズミを媒介にして感染するという。専門家は「夏に発生した水害によってネズミが人の居住地域に移動したことと関係がある」と分析している。西安市ではデルタ株の感染も拡大、今月9日から22日までに143人の感染が確認されている。地元政府は、「2つの疫病が同時に流行するとコントロールが難しくなる」として、警戒を強めているとのこと。ネットでは北京五輪中止論が再び盛り上がりつつある。