中国・陝西省の西安で出血熱が発生したとして、地元の衛生当局が注意を呼びかけています。西安では新型コロナウイルスも感染が拡大していて、政府は同時流行に警戒を強めています。
中国メディアによりますと、今月18日に西安で「腎症候性出血熱」の感染者が複数見つかったということです。
この出血熱は毎年冬の時期に流行するもので、主にネズミから感染し、最初は風邪のような症状が見られ重症化すると死亡する例もありますが、人から人への感染はないとされています。
中国国営テレビは、今年は例年に比べて感染者数と感染の範囲が拡大している、としていて、専門家の話として「今年夏に発生した水害によってネズミが人の居住地域に移動したことと関係がある」と伝えています。
西安市の衛生当局は、感染源であるネズミと触れないように注意を呼びかけています。
これとは別に、西安市では、新型コロナの感染が拡大していて、今月9日から22日までに143人の感染が確認されています。地元政府は、「2つの疫病が同時に流行するとコントロールが難しくなる」として、警戒を強めています。
中国では出血熱がネット上で話題となり、「イチゴを食べると感染する」とのデマを広げたとして、警察が取り締まりを行うなど一部で混乱も見られています。
一方、日本の国立感染症研究所によりますと、日本国内では1998年12月28日以降、患者の発生は確認されていないということです。