【パリ時事】イタリアのマッタレッラ大統領(80)は29日、上下両院議員らによる8回目の投票で再選された。マッタレッラ氏は当初、退任の意思を示していたが、ドラギ首相をはじめ各党からの要請を受けて続投を決意。難航していた大統領選がようやく決着し混乱が回避されたことで、議員らの間に安堵(あんど)の声が広がった。

マッタレッラ氏続投か 各党合意、首相も慰留

 マッタレッラ氏は、選出に必要な過半数を大きく上回る759票を獲得。任期は7年だが、次の総選挙後に満了を待たず退任する可能性が指摘されている。1948年の憲法施行後、大統領が再選されるのは2013年のナポリターノ大統領に続き2人目。

 投票には1000人近い議員が参加。24日の初日以降、ベルルスコーニ元首相が後ろ盾のカゼッラティ上院議長ら複数の候補が推薦されたが、いずれも左右両派の幅広い支持を得られず、選出が難航していた。