ロシアのプーチン大統領は緊張が続くウクライナ情勢を巡って「状況の悪化を避けるためには、ロシアを含むすべての国の利益を真面目に検討する必要がある」と述べ、ロシアが抱く安全保障上の懸念についてアメリカなどが、真剣に検討することが事態の打開に不可欠だと強調しました。

ロシアのプーチン大統領は1日、ハンガリーのオルバン首相とモスクワで会談した後、共同で記者会見を行いました。

この中で、NATO=北大西洋条約機構をこれ以上、拡大しないことなどを法的に保証するよう求めるロシアの要求に対し、アメリカなどが応じられないと回答したことについて、プーチン大統領は「回答を入念に分析している。しかし、ロシアの根本的な懸念が無視されているのは明らかだ」と述べ、強い不満を表しました。

また「ウクライナは、クリミアを取り返そうとしている。仮にウクライナがNATOに加盟したとして私たちは、NATOの国々と戦争をしなければならないのか」と述べ、ウクライナのNATO加盟は絶対に認められないと主張しました。

そのうえで「欧米側の最大の目的はロシアの発展を阻止することだ。状況の悪化を避けるためには、ロシアを含むすべての国の利益を真面目に検討する必要がある」と述べ、ロシアが抱く安全保障上の懸念についてアメリカなどが、真剣に検討することが事態の打開に不可欠だと強調しました。

そしてプーチン大統領は、この問題を巡ってアメリカなどと対話を続ける用意がある考えを示しました。