[ニューヨーク 2日 ロイター] – ニューヨーク外為市場ではADP民間雇用統計が軟調だったことで、ドルが下落した。ただ連邦準備理事会(FRB)が3月15─16日の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げに踏み切るとの見方は変わっていない。

企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)とムーディーズ・アナリティクスが朝方発表した1月の全米雇用報告によると、民間部門雇用者数は30万1000人減と、市場予想の20万7000人増に反して減少した。減少は2020年12月以来約1年ぶり。新型コロナウイルスの感染再拡大による企業活動の混乱が響いた。

ケンブリッジ・グローバル・ペイメンツ(トロント)のチーフ市場ストラテジスト、カール・シャモッタ氏は「新型コロナのオミクロン株感染拡大で雇用は1月に減少したとの見方は市場に十分浸透している」とし、「FRB当局者もこのところ、経済の基調的な方向性に違和感はないとの姿勢を示している」と指摘。「金融情勢が有意に引き締まるまでFRBはタカ派的なバイアスを維持する」との見方を示した。こうしたことがドルの支援要因になるとし、「ピークはこれから付ける。まだピークには達していない」と述べた。

終盤の取引で、主要6通貨に対するドル指数は0.3%安の95.9260。

ユーロは0.3%高の1.1310ドル。欧州中央銀行(ECB)が3日の理事会で一段と速いペースでの政策引き締めを示唆する可能性があるとの見方から、一時は約1週間ぶりの高値を付けた。

英ポンドは0.4%高の1.3584ドル。一時1.3587ドルと、約2週間ぶりの高値を付けた。イングランド銀行(英中央銀行)も3日に金融政策委員会を開く。市場では25ベーシスポイント(bp)の追加利上げが決定されるとの見通しが完全に織り込まれている。

ドル/円 NY午後4時 114.45/114.47

始値 114.32

高値 114.46

安値 114.17

ユーロ/ドル NY午後4時 1.1303/1.1307

始値 1.1315

高値 1.1330

安値 1.1293