[ニューヨーク 22日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場ではドルが小幅安。ロシアのプーチン大統領がウクライナ東部の親ロシア地域の独立を承認し軍派遣を命じたことでウクライナ情勢が緊迫化する中、不安定な値動きとなった。

ジョンソン英首相は22日、ロシアの5銀行とプーチン大統領に近い富豪ら3人に経済制裁を科すと発表。ドイツのショルツ首相も同日、ロシアからの天然ガス輸送パイプライン、ノルドストリーム2のプロジェクト承認停止を明らかにした。

また、バイデン米大統領も22日、ロシアがウクライナ東部の親ロシア地域の独立を承認し軍派遣を命じたことについて「ロシアによるウクライナ侵攻の始まり」とし、「対ロシア制裁の第1弾」を発動すると表明。これを受けドルがやや弱含んだ。

ユーロ/ドルは序盤に14日以来の安値を付けた後、上昇に転じた。独IFO経済研究所が22日に発表した2月の業況指数は98.9で上方改定された1月の96.0から上昇したことが支援した。

ドル指数は0.1%安。ユーロ/ドルは0.2%高の1.1333ドル。ドルはこの日、0.1%高─0.35%安で揺れ動いた。

FXストリート・ドットコムのシニアアナリスト、ジョゼフ・トレビサーニ氏は、市場は緊張が激化し制裁によって少なくとも世界経済の回復が阻害されるとは見ていないと指摘。「市場は状況が大きく変化したとは想定していない」と述べた。

ロシアルーブルは対ドルで2.07%高の78.76ルーブル。一時80.9275ルーブルと2020年11月以来の安値を付けあ。

ポンドは0.06%安の1.359ドル。

ドルは序盤に強含む場面があった。IHSマークイットが22日に発表した2月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値が56.0と前月の51.1から上昇したことを受けた。

一方、コンファレンス・ボード(CB)が22日に発表した2月の米消費者信頼感指数は110.5と、1月改定値の111.1から低下し、昨年9月以来5カ月ぶりの低水準となった。

スイスフランや日本円などの安全通貨は序盤に対ドルで上昇。ただその後は下げに転じ、スイスフランは0.6%、円は0.29%それぞれ下落した。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは2.76%高の3万8089.06ドル。イーサは1.94%高の2632.62ドル。

ドル/円 NY終値 115.08/115.09

始値 115.07

高値 115.23

安値 114.88

ユーロ/ドル NY終値 1.1325/1.1328

始値 1.1345

高値 1.1359

安値 1.1323