[東京 20日 ロイター] – 東芝が24日に開く臨時株主総会を巡り、ノルウェーの政府ファンドが非上場化などの検討を求めた株主提案に賛成票を投じたことがわかった。議決権行使記録によると、同ファンドはデバイス事業を分離する会社提案には反対票を投じた。フロリダ州運用管理理事会も株主提案に賛成し、会社提案に反対した。

経営再建中の東芝は電子部品などのデバイス事業を分離・上場する計画で、24日の臨時株主総会で同議案を諮る。一方、非公開化や出資の受け入れを含めた戦略の再検討を求める大株主3Dインベストメント・パートナーズも議案を提出している。

金融情報会社リフィニティブによると、ノルウェーの政府ファンドは東芝株の1.22%を、フロリダ州運用管理理事会は0.22%を保有している。いずれも保有比率は高くないが、世界的に著名な基金が3Dの提案を支持したことで、株主の間で東芝に戦略の再考を求める動きがさらに広がる可能性が出てきた。

東芝の社外取締役で指名委員会の委員長を務めるレイモンド・ゼイジ氏は17日、非上場化の検討を求める株主提案に、株主として賛成すると明らかにした。これに対し東芝は、株主提案に反対する取締役会の意見に変更はないとコメント。株主の支持を得るために引き続きあらゆる努力をするとした。

株主の投票行動に影響を与える議決権行使助言会社の米グラスルイスは11日、3Dの提案に支持を表明。同業の米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)は分割議案に反対だが、3Dの提案にも反対を推奨している。

ノルウェーの政府ファンドを運営するノルゲスバンク・インベストメント・マネジメント(NBIM)は議決権行使の理由として、企業の合併、買収などを評価する際は、十分な透明性があるか、すべての株主が公平に扱われているかといった要素を勘案するとしている。

(山崎牧子 編集:基太村真司、久保信博)