[東京 22日 ロイター] – 東芝が企業価値向上策として示した会社分割案に主要株主から反対の声が相次いでいる。24日開催の臨時株主総会で同提案が承認されるかは不透明な情勢だ。

株主総会の議案は2つ。会社提案の2分割案と、第2位株主の3Dインベストメント・パートナーズが提案した非上場化を含めた戦略の再検討などを求めるもの。

東芝の取締役会は株主提案に反対するよう推奨している。

リフィニティブによると、3Dは東芝株7.57%を保有。このほか、10.41%を保有する筆頭株主のエフィッシモ・キャピタル・マネジメント、第3位のファラロン・キャピタル・マネジメントはすでに、会社提案に反対や不支持を表明している。

議決権行使の助言会社である米グラスルイス、米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)も、会社提案に反対を推奨。米カリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)も、会社提案に反対したことが明らかになっている。

保有株比率は高くないが、ノルウェーの政府系ファンド、フロリダ州運用管理理事会といった世界的に著名な機関投資家も、会社提案には反対の意向だ。

東芝は、分割提案に対する株主の支持を得るため、引き続きあらゆる努力をするとしている。

一方、3Dの株主提案も、全面的な賛同を得ているわけではない。現時点ではISSが反対推奨、カルパースが反対の意向で、ブラックロックやエリオット・マネジメント、バンガードといった有力株主に加え、日本国内の機関投資家も方針を示していない。

関係者によると、東芝側は2分割案で株価が上昇し、アクティビストが株式を売却することを望んでいるという。しかし、この問題に詳しい別の関係者は、仮に会社提案が承認を得たとしても、一部の株主は闘い続けるつもりだと匿名を条件にロイターに語った。

岡三証券の松本史雄チーフストラテジストも「大株主は株価が上昇しない限りとどまるだろう」との見通しを示す。非上場化は「高値で手っ取り早く利益を確定したい株主にとってはベストだが、東芝にとっては必ずしもそうではないかもしれない。出口が見えない」という。