[ニューヨーク 28日 ロイター] – ニューヨーク外為市場で、ドルが対円で6年ぶり高値を更新した。日銀が長期金利の上昇抑え込みに向け連続指し値オペを実施すると発表したことを受け、日銀と他の主要中銀との金融政策の格差が浮き彫りとなった。

BMOキャピタル・マーケッツ・エコノミクスの副チーフエコノミスト、マイケル・グレゴリー氏は「今後2回の米連邦公開市場委員会(FOMC)で50ベーシスポイント(bp)の利上げ、その後年内残りの会合で25bpの利上げが実施されると予想する」と述べた。

米債券市場では、指標10年債利回りが一時2.5%を上抜けた。

米利上げ観測を追い風に、主要6通貨に対するドル指数は終盤の取引で0.313%高の99.158と、2週間ぶりの高値を付けた。

ドル/円は最大2.5%上昇し、2015年8月以来の高値を付けた。また、1日としては20年3月以来の高い伸びを記録した。終盤は1.34%高の123.715円。円は3月、7%超下落しており、月間および四半期ベースで16年以来最大の下げとなる勢いとなっている。

28日の円債市場で、新発10年国債利回り(長期金利)は前営業日比1.5bp上昇の0.250%と、16年1月15日以来6年超ぶりの高水準をつけた。日銀のイールドカーブ・コントロール(YCC)政策のターゲットである10年債金利の許容範囲上限は0.25%程度。日銀は本日午前と午後に指し値オペを実施したが、金利上昇が止まらなかった。

スコシアバンク・エコノミクスのデレック・ホルト氏は、米利上げ観測がドルを後押しすると同時に日銀の「マネーサプライ拡大に向けたシグナルが円安に寄与した」と述べた。

円は対ユーロでも下落。欧州中央銀行(ECB)も年内に利上げに動くという観測から、ユーロ/円は1.27%高の135.895円と、4年ぶり高値を付けた。

ユーロ/ドルは0.3%高の1.0984ドル。

ただ、マネックスのアナリストは、ロシア・ウクライナの紛争、円安、ユーロを巡るリスクを踏まえると、4月1日発表の米雇用統計が堅調な内容となれば、ドルの堅調基調は続く公算が大きいという見方を示した。

資源国通貨では、豪ドルが0.33%安の0.74895米ドル。ただ、最近付けた4カ月ぶり高値にはなお近い水準にある。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは2.53%高の4万8050. 90ドルと、年初来高値を更新した。