ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交などウクライナ情勢をめぐる19日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ハルキウ州知事「3人死亡 攻撃激しく」

ウクライナ東部のハルキウ州の知事は19日、SNSのテレグラムに投稿し、ハルキウでのロシア軍による攻撃で少なくとも3人が死亡、16人がけがをしたことを明らかにしました。

これについて、ロイター通信は当局者の話として、死亡したのは少なくとも4人だと伝えています。

現地の映像では、集合住宅の外壁に大きな穴があいているほか、部屋の中も割れた窓ガラスなどが散乱しています。

住民の女性は「午後11時ごろから大きな爆発音が聞こえ始め、5回から6回の攻撃があったと思う。砲弾が貫通して、すべてを破壊した」と話していました。

州知事は、住宅地などが攻撃を受けたとしたうえで「ハルキウへの攻撃が激しくなっている」として、市民に対し避難所などにとどまるよう呼びかけています。

ロシア外相「新たな段階始まろうとしている」

ロシアのラブロフ外相は19日、インドの雑誌「インディア・トゥデイ」のインタビューに答え、ウクライナ東部の要衝マリウポリをめぐる攻防が一層激化するおそれが強まるなか、「新たな段階が始まろうとしている。重要な節目になるだろう」と述べました。

そのうえで、プーチン大統領が軍事侵攻開始の名目とした東部2州の一方的な独立承認について触れ、ロシア軍が親ロシア派の武装勢力とともにドネツク州にあるマリウポリの完全掌握を目指していることを正当化しました。

また、ラブロフ外相は「われわれはウクライナの政権をかえるつもりはない」と強調する一方で、「ゼレンスキー大統領とそのチームが信頼できるかどうかを理解する必要がある」と述べ、停戦交渉が進展するかどうかはウクライナの出方次第だと強調しました。

中国 ロシアとの協力関係強化を確認

中国外務省の楽玉成次官と中国に駐在するロシアのデニソフ大使が18日会談し、両国の協力関係の強化を確認しました。

中国外務省によりますと、会談で楽次官はことし1月から先月までの両国の貿易総額が30%近く伸びたとしたうえで、「国際情勢がどのように変化しようとも中国はこれまでどおりロシアとの戦略協力を強化する」と述べたということです。

これに対し、デニソフ大使は「ロシアは常に中国との関係発展を外交上の優先事項とみなしており、両国の全面的な戦略協力と全方位の実務的な協力をさらに深化させたい」と述べたということです。

ロシア国防相 ウクライナ東部を中心に作戦継続

ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアのショイグ国防相は19日、モスクワでゲラシモフ参謀総長を含む軍幹部を集めた会議を開きました。

この中でショイグ国防相は「ロシア軍は、最高司令官により設定された任務を一貫して遂行している」と述べ、プーチン大統領の命令に基づいて東部のドネツク州とルハンシク州を中心に作戦を継続していると強調しました。

そして、「アメリカとその支配下にある西側諸国は戦闘を長期化させるためにあらゆる手段を講じている。武器供与を増やすことでウクライナ人は最後の1人まで戦うつもりでいる」と述べ、ロシア軍に抵抗する構えを崩さないウクライナの部隊を支援している欧米を一方的に批判しました。

ウクライナ大統領府長官「戦争の第2段階が始まった」

ウクライナ東部のドンバス地域でロシア軍による新たな攻撃が始まったことを受けて、ウクライナの大統領府長官は18日、SNSのテレグラムに、「戦争の第2段階が始まった」と投稿しました。

そのうえで「私たちの強い軍隊を信じてほしい」と投稿し、ウクライナ軍への支持を訴えました。

ウクライナから国外避難 498万人余

UNHCR=国連難民高等弁務官事務所のまとめによりますと、ロシア軍の侵攻を受けてウクライナから国外に避難した人の数は、18日の時点で498万人余りとなっています。

主な避難先は、
▼ポーランドがおよそ280万人、
▼ルーマニアがおよそ75万人、
▼ハンガリーがおよそ46万人、
▼モルドバがおよそ42万人などとなっています。

また、▼ロシアに避難した人は、およそ53万人となっています。

ロシア国防省 マリウポリ防衛部隊に再び降伏迫る

ロシア国防省は19日「緊急声明」を発表し、ウクライナ東部の要衝マリウポリの防衛にあたるウクライナ側の部隊に対し、武装を解除して降伏するよう再び迫りました。

声明では現地時間の19日午後2時、日本時間の19日夜8時から10時までの2時間で、すべての武器や弾薬を置き、部隊が拠点としている製鉄所から退去して降伏することを要求しています。

ロシア国防省は4月17日にも同じように降伏を迫りましたがウクライナ側は拒否し、徹底抗戦の構えを示しています。

「緊急声明」でロシア側は「このままでは全員に耐え難い運命が待ち受けている」と警告し、製鉄所に1000人以上の市民が避難しているというウクライナ側の訴えを無視して、攻撃をいっそう激化させるおそれが出ています。

ウクライナ検察当局「少なくとも205人の子ども死亡」

ウクライナの検察当局は19日の時点で少なくとも205人の子どもが死亡し、367人がけがをしたと発表しました。

▽死傷した子どもが最も多いのは東部ドネツク州で118人、
▽次いで首都があるキーウ州で108人、東部ハルキウ州で91人、
▽北部チェルニヒウ州で54人などとなっています。

また18日の時点で、爆撃や砲撃による被害を受けた学校などの教育施設は1018にのぼり、このうち95の施設は完全に破壊されたということです。

親ロシア派「マリウポリの製鉄所 攻撃開始」

親ロシア派の武装勢力のバスリン報道官は、ロシア側が包囲したと主張する東部の要衝マリウポリの製鉄所をめぐり19日、国営のロシアテレビで「施設を襲撃するために特別に選ばれた部隊の一部が活動を開始した」と述べ、新たに投入された部隊が攻撃を開始したことを明らかにしました。

バスリン報道官は「現時点でそこに市民はいない」と述べ、施設内に子どもや女性など1000人以上の市民が避難しているというウクライナ側の主張を、一方的に否定しました。

そして「ロシアから戦闘機や砲弾などの支援を受けている。ウクライナ側が降伏することを願う」と述べ、ウクライナの部隊に武装を解除して降伏するよう重ねて要求しました。

製鉄所のシェルターの様子とする映像 公開

東部マリウポリで戦闘を続けるウクライナの「アゾフ大隊」は、拠点としている製鉄所のシェルターの様子とする映像を、19日、動画投稿サイトのユーチューブで公開しました。

映像では、子どもや女性、お年寄りなどが身を寄せ合い、暮らしている様子が確認できます。また壁には衣服や生活用品がかけられているほか、ベッドも用意され、避難生活が長期にわたっていることがうかがえます。マリウポリの市議会は、このシェルターに1000人以上の市民が避難していると明らかにしています。

少年のひとりは「砲撃されて建物が揺れてもイライラしないよう心がけています」と話していました。また、別の女性は「ここに来た時は、1年分の食料の備蓄があると聞いたが、その後、1か月分しかないことが分かった。どうなっているんでしょう」と話していました。

アメリカのCNNテレビはこの映像について「信ぴょう性の確認が、十分にはできていない」としたうえで、避難生活が数週間にわたって続いているという見方を伝えています。

また別の動画ではアゾフ大隊の指揮官が「子どもや女性、お年寄りも多い。ロシア軍は、市民がいると分かっていながら、爆弾を落とし、ロケット弾や砲弾で攻撃し続けている」と状況を説明しました。そのうえで国際社会に対して「市民の避難ルートを早急に整え、安全を確保してほしい」と訴えています。

ロシア西部の州知事「ウクライナ側から砲撃」1人けが

ウクライナと国境を接するロシア西部・ベルゴロド州のグラトコフ知事は19日、SNSのテレグラムで、国境に近いロシアの村、ゴロフチノが「ウクライナ側から砲撃を受けた」と発表しました。これまでに、地元の女性1人がけがをし、手当てを受けているということです。

「モスクワ」沈没前の様子とされる画像がネット上で拡散

旗艦「モスクワ」をめぐっては、沈没前の様子とされる画像が、インターネット上で拡散しています。
公開情報を収集・分析する欧米の軍事専門家のグループ「オリックス・ブログ」は、16日「旗艦モスクワの終えん」という記事のなかで「沈没直前のモスクワ」とする画像を掲載しました。画像では、レーダーなどが集中する中心付近から黒い煙があがり、全体的に傾いている様子が確認できます。
記事では「原因はまだ特定されていない」としたうえで「対艦ミサイル『ネプチューン』が2発命中し、火災を止めることができず、沈没したというのが最も有力なシナリオだ」と分析しています。

沈没した旗艦「モスクワ」 “約40人死亡” 独立系メディア報道

今月14日、沈没したロシア黒海艦隊の旗艦「モスクワ」をめぐって、ロシア国防省はこれまで「乗組員は完全に避難した」として、死者が出ているかどうかを明らかにしていませんでしたが、ヨーロッパやロシアを拠点とする独立系メディアは、数十人の死者が出ていると報じました。

このうち、ロシアの独立系新聞「ノーバヤ・ガゼータ」に所属していた一部のジャーナリストが新たに立ち上げた「ノーバヤ・ガゼータ・ヨーロッパ」は17日、乗組員の母親の話として「およそ40人が死亡し、何人かが行方不明で、多くの負傷者が出た」と伝えています。

また、ロシアの独立系ネットメディアの「メドゥーザ」は18日、黒海艦隊の司令部に近い関係者の話として、乗組員37人が死亡、およそ100人が負傷し、遺体はロシアが一方的に併合したクリミアの軍港に運ばれたと伝え、ロシア国防省の公式発表の信頼性を疑問視する声が広がっています。

ウクライナ東部 少なくとも8人死亡

ロシア軍の新たな攻撃が始まったとされるウクライナ東部では新たに少なくとも8人の死亡が確認されています。

東部ルハンシク州の州知事は18日、州内で少なくとも4人が死亡したと自身のSNSで明らかにしました。州知事によりますと、4人はいずれも市民で、車で避難しようとしていたところロシア軍の攻撃を受けたということです。

また、東部ドネツク州の州知事は18日、州内でこれまでに4人が死亡したと自身のSNSで明らかにしました。年齢や性別、死亡した経緯など詳しいことはわかっていません。

松野官房長官「オンライン会合 岸田首相も参加」

松野官房長官は、閣議のあとの記者会見で「岸田総理大臣が参加する予定だ。本会合ではウクライナ情勢について議論される予定で、わが国の立場をしっかりと発信する予定だ」と述べました。

バイデン大統領 同盟国や友好国とオンライン会合開催へ

アメリカのホワイトハウスは18日、バイデン大統領が19日に同盟国や友好国とオンライン会合を開催し、ウクライナへの継続的な支援とロシアの責任追及のための緊密な連携について協議すると発表しました。参加国は明らかになっていませんが、NATO=北大西洋条約機構の加盟国に加え日本が参加する可能性もあります。

ウクライナからの避難民は661人 (4月17日時点)

出入国在留管理庁によりますと、ウクライナからの避難民は4月17日時点で661人に上っています。内訳は、
▼今月5日に政府専用機で避難してきた人が20人、
▼今月9日と16日に政府が座席を借り上げた民間の航空機で避難してきた人が合わせて20人、
▼そのほかの手段で避難してきた人が621人となっています。

政府はウクライナからの避難民を積極的に受け入れる方針で、90日間の短期滞在を認める在留資格を付与し、本人が希望すれば必要に応じて就労が可能で1年間滞在できる「特定活動」という在留資格への変更を認めています。「特定活動」の在留資格に変更すると、住民登録をして、国民健康保険に加入できるなどのメリットがあり、今月17日時点で145人の変更を認めたということです。

政府は自治体や企業などと連携して、受け入れ体制の整備を進めていますが、避難生活は長期化する可能性もあり、ことばの壁や就労などへの不安にどう対応し、必要な支援を行うか、課題となっています。

対ロ制裁初の輸入禁止 きょうから始まる

ウクライナ情勢をめぐり、政府は、ロシアに対する制裁措置としてロシアからの輸入を禁止する措置を19日から始めました。輸入禁止措置は初めてでアルコール飲料や木材など38品目が対象となります。

政府は、ロシアに対する追加制裁として初めてとなるロシアからの輸入禁止の措置を19日から始めました。対象は合わせて38品目で、具体的には、
▽ウォッカ、ビール、ワインなどのアルコール飲料や、
▽丸太やチップ、それに原木を切って削った単板などの木材のほか、
▽自動車やオートバイとそれらの部品、金属加工機械、ポンプといった、
機械類・電気機械です。

ロシアから日本への輸入総額は、去年は1兆5000億円ほどで、このうち今回、輸入禁止となる品目が占める割合は、全体の1.1%だということです。
ロシアからの輸入の多くは天然ガスや石油などですが、エネルギー安全保障の観点から政府は、現時点では輸入禁止措置はとっていません。

輸入禁止となる品目でも▼18日までに輸入の契約を結んでいるものについては、3か月の猶予期間が設けられます。経済産業省によりますと、対象品目は代替調達が可能なものが多く、国内産業への影響は限定的だということです。

松野官房長官「人道危機悪化 深く憂慮」

松野官房長官は、閣議のあとの記者会見で「これまでも数多くのむこの民間人の尊い命が奪われ、各都市の惨状と人道危機の深刻さ、破壊のすさまじさに強い衝撃を受けている。ロシアがさらなる侵略を行い、ウクライナにおける人道危機が一層悪化することを深く憂慮している。多数のむこの民間人の殺害は重大な国際人道法違反であり戦争犯罪で、断じて許されず厳しく非難する」と述べました。

また、ウクライナ在留の日本人について17日時点でおよそ50人が滞在しているとしたうえで「現時点までに、生命・身体に被害が及んだなどの情報には接していない」と説明しました。

ゼレンスキー大統領 “ロシア軍がドンバス地域での戦いを開始”

ウクライナのゼレンスキー大統領は18日、動画を公開し「ロシア軍は長い間準備してきたドンバス地域での戦いを開始したと言える。ロシア軍のかなりの部隊が、この攻撃に投入されている」と述べ、ロシア軍によるウクライナ東部への新たな攻撃が始まったことを明らかにしました。

そのうえで「どんなに多くのロシア軍の兵士が来ようとも、私たちは戦う」と述べ、徹底抗戦をする姿勢を示しています。

マリウポリ市議会 “1000人以上の市民がいる製鉄所に爆撃”

ウクライナ東部マリウポリの市議会は、18日、SNSに投稿し、ウクライナの準軍事組織「アゾフ大隊」が拠点にしているとみられる「アゾフスターリ製鉄所」について「ロシアによる激しい爆撃が行われている」と述べました。

そのうえで「製鉄所の地下シェルターには1000人以上の市民がいて、そのほとんどは子どもを持つ女性や高齢者だ」として、ロシアによる攻撃を非難しました。

ウクライナ 拘束中のロシア寄りの野党幹部 “住民と私の交換を”

ウクライナの治安当局は、拘束しているロシア寄りの野党の幹部のメドベチュク氏の映像を18日、SNSに公開しました。

映像の中でメドベチュク氏は、ウクライナ東部マリウポリについて「人道回廊と呼ばれる避難ルートで安全に避難できない住民や兵士たちと私を交換してほしい」と訴えています。

メドベチュク氏は、ロシアのプーチン大統領と親交が深い人物として知られていて、AFP通信によりますと、国家に反逆した疑いで去年から自宅に軟禁されていましたが、ロシアが軍事侵攻を始めたあと逃亡していたということです。

その後、ウクライナの治安当局は12日、メドベチュク氏を拘束したことを明らかにしていました。

東部のハルキウ ロシア軍がミサイル攻撃

ウクライナ東部のハルキウで、18日、ロシア軍のミサイル攻撃により、少なくとも2人が死亡し、建物や車に被害が出たとロイター通信が伝えました。

現地で撮影された映像では、焼け焦げた車や、消防隊員が消火活動にあたっている様子が確認できます。

また、2発のミサイルが住宅地を攻撃したのを目撃したと言う住民や、おじが死亡したとする男性の話を合わせて伝えています。

ロシア国防省は18日、東部ハルキウ州や、南東部ザポリージャ州などで16の施設をミサイルで攻撃し、指揮所や弾薬庫などを破壊したと発表しています。

アメリカ高官 “東部マリウポリで攻防が続いている”

アメリカ国防総省の高官は18日、ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシア軍について「すべての地上部隊は東部と南部に展開している。空爆や砲撃のほぼすべてがドンバス地域と南部に集中している」と述べ、ロシア軍は引き続き、東部の攻略を目指しているという認識を示しました。

そのうえで、ロシア軍が攻撃を強めている東部のマリウポリについて「攻防が続いている」と述べ、ウクライナ軍が激しく応戦していると強調しました。

また、首都キーウや西部のリビウ州については「ここ数日の間に、長距離爆撃機から巡航ミサイルなどで空爆が行われた」と分析しました。

一方、この高官は、アメリカが先週発表したウクライナに対する8億ドルの追加の軍事支援の物資の発送が始まったことを明らかにしました。

今回の軍事支援には、りゅう弾砲などが含まれていて、数日以内に、ウクライナ国外でウクライナ軍の教官を対象にこの武器の使い方の訓練を始めるとしています。

マリウポリで戦闘を続けるウクライナの準軍事組織「アゾフ大隊」が拠点にしているとみられる「アゾフスターリ製鉄所」で18日に撮影された映像では、爆発音が連続して鳴り響いたり、建物付近で煙が上がったりする様子が確認できます。

ゼレンスキー大統領「領土を譲るつもりはない」

ウクライナのゼレンスキー大統領は15日にCNNテレビのインタビューで、ロシア軍が攻勢を強めている東部のドンバス地域について「ドンバス地域での戦いは、戦争全体の行方を左右する可能性がある。ロシア軍がドンバス地域を掌握したら、キーウに向かって来ないとは限らないと私たちは理解している」と述べ、ドンバス地域での戦況が重要だと強調しました。

また、ロシア側との交渉については「自分たちの領土を譲るつもりはないが、少なくともロシア側との対話を模索しないといけない」と述べました。

一方、多くの市民の遺体が見つかったキーウ近郊のブチャなどにふれたうえで「対話の可能性は日に日に低くなっている。私たちの社会は、話し合いを続けることを望んでいない。これは悲劇的だ」と述べ、ロシア軍の行為が交渉に影響を与えているという見方を示しました。

国連 “少なくとも2072人の市民が死亡” 未確認も多数

国連人権高等弁務官事務所は、ロシアによる軍事侵攻が始まったことし2月24日から今月17日までに、ウクライナで少なくとも2072人の市民が死亡したと発表しました。

このうち169人は子どもだとしています。

地域別でみると、東部のドネツク州とルハンシク州で732人、キーウ州や東部のハルキウ州、北部のチェルニヒウ州、南部のヘルソン州などで1340人の死亡が確認されているということです。

また、けがをした市民は2818人に上るとしています。

しかし、ロシア軍による激しい攻撃が続いている東部のマリウポリなどでの死傷者の数について、国連人権高等弁務官事務所は、集計が遅れていたり、確認がまだ取れていなかったりして今回の統計には含まれていないとしていて、実際の死傷者の数はこれを大きく上回るとの見方を示しています。

プーチン大統領 “ルーブル決済への移行加速を”

ロシアのプーチン大統領は18日、経済の関係閣僚らとオンライン形式で会議を開きました。

この中でプーチン大統領は「欧米諸国は新たな制裁を行い、ロシアの金融や経済状況を急速に弱体化させ、市場にパニックを引き起こすことなどをもくろんだ。しかし、こうしたロシアに対する電撃的な経済に関する戦略は失敗したと自信を持って言える」と述べたうえで、通貨ルーブルの価値が軍事侵攻前の水準に戻ってきているなどと欧米の圧力に屈しない姿勢を強調しました。

一方、プーチン大統領は「非友好国によるロシアへの規制が、国内ビジネスに影響を与え、輸出入を複雑にし、決済の障害となっている」と述べたうえで、海外との貿易取り引きについて、ルーブルでの決済への移行を加速させる必要があるという考えを示しました。