[4日 ロイター] – 米国株式市場は、連邦準備理事会(FRB)が予想通りに利上げを決定したことを受け急伸し、S&P総合500種の1日としての上昇率は約1年ぶりの大きさとなった。米国株式市場は、連邦準備理事会(FRB)が予想通りに利上げを決定したことを受け急伸した。3月撮影(2022年 ロイター/Brendan McDermid)

FRBは3─4日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.50%ポイント引き上げ、0.75─1.00%とした。一度に0.5%ポイントの大幅利上げを決定するのは22年ぶり。6月に保有資産の縮小に着手することも決定した。

決定発表直後は株価は一進一退だったが、FOMC後のパウエルFRB議長の記者会見を受け上昇。S&P総合500種は約3%高と、2020年5月18日以来の大幅な上昇となった。

AXSインベストメントの最高経営責任者(CEO)、グレッグ・バスック氏は「FRBは明らかにインフレを抑制する必要があると理解している」とし、「FRBが一段と積極的な利上げを行っても、地政学的な緊張の高まりのほか、新型コロナウイルス感染拡大を巡る問題などに対応する必要がある。このため、FRBの動きにかかわらず、ボラティリティーが高い状態は続く」との見方を示した。

この日発表の経済指標では、企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)とムーディーズ・アナリティクスの4月の全米雇用報告の民間部門雇用者数が24万7000人増と、増加幅は2020年4月以来2年ぶりの低水準となった。

米供給管理協会(ISM)が発表した4月の非製造業景気指数(NMI)は57.1に低下。エコノミスト予想は58.5だった。

個別銘柄では、配車大手リフトが約30%急落。同社は前日、運転手の取り込みに支出拡大が必要として第2・四半期の営業利益についてさえない見通しを示した。売上高見通しも市場予想を下回った。

コーヒーチェーン大手スターバックスは9.8%高。前日発表の第2・四半期(4月3日までの3カ月)の世界の既存店売上高は市場予想を下回ったものの、北米市場の既存店売上高は12%増と好調だった。

リチウム生産のリベントは30.2%高。電気自動車(EV)向け需要の高まりを反映し、四半期利益が予想を上回ったほか、2022年の売上高見通しを上方修正した。

この日はS&Pの主要11セクター全てが上昇。中でもエネルギーの上げが目立った。米国債利回りの上昇を受け、銀行株は3.5%上昇した。

米取引所の合算出来高は134億6000万株。直近20営業日の平均は119億7000万株。

ニューヨーク証券取引所では、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を3.98対1の比率で上回った。ナスダックでも2.39対1で値上がり銘柄数が多かった。