けさ珍しくテレビの情報番組をチラッと見た。例の24歳男が関連するネットカジノに絡んだ裏の仕組みを解説していた。途中からだが、少しだけマネロンの実態を見たと思ったらテーマが変わって「ガラガラポン」。若い女性に「ガラガラポン」の意味知っていますかと、街中でインタビューする映像に切り替わった。若い女性曰く、「福引の時に使うガラガラ回す機会でしょう」。それを聞いて「えっ?」と思ったのは私だけ・・・。インタビュアーはそれから「イッテコイ」「全員野球」「ガチャンコ」など、若い人にとっては意味不明な日本語を次々と繰り出す。当然ながら正解はなし。「イッテコイ」にいたっては「たとえば社長のところに行って来い」という意味ですかと、こちら驚くような珍解答ぶりだった。さもありなん。これらはみな、いまはやりの“おっさんビジネス用語”なのだ。「いま流行り」ということを、けさ初めて知った驚きを含めて、改めて時代の変化を思い知らされた。

というわけで“おっさんビジネス用語”を早速ググってみた。「よしなに」「一丁目一番地」「全員野球で」、これらは「ある年代以上が好んで使う傾向がある言葉」とDiamondオンライの解説が飛び込んできた。日付は今年の2月18日付。「最近、『#おっさんビジネス用語』というハッシュタグが一部で盛り上がりを見せている」とある。3ヶ月前から巷でやっている、というのだ。「エイヤ」「ガッチャンコ」「三遊間」「一丁目一番地」「よしなに」「なるはやで」など、あるわあるわ!「一丁目一番地」などいまでも時々使っている。「岸田政権にとって一丁目一番地の政策だが」などと原稿に書いているが、若い人には全く通じていないのかもしれない。言葉は生き物、時代が変われば言葉も変わる。一致団結しての意味の全員野球。あの時代、「全員野球でこの難局を乗り切ろう」、何処の社長もこんな言い方で全社員にハッパをかけていた気がする。

面白いのはガラガラポンだ。麻雀で一局が終わるたびに牌をガラガラとかき混ぜるませることが語源かと思っていた。検索すると福引の時などに使う抽選器とある。Amazonや楽天でこの言葉を入力すると、そのままの機械が出てくる。若い人の理解の方が正しいようだ。おっさんたちは事態が込み入って解決が難しくなった時などによく「ガラガラポンしよう」と言い合った。物事を一旦止めて白紙に戻すのだ。それはそれなりに便利な言葉だった。いまの若い人はこう言う時なんて言うのだろうか。ウクライナ戦争もガラガラポンができればいいのだが、もはやそれは無理。プーチンを倒すしか方法はない。民主国家と強権国家、あらゆる面においてガラガラポンできなくなっている。言葉も変わるが時代も変わる。人類は進歩しているのか退化しているのか。「よしなに」では済まなくなっている。