ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は4日、SNSで、ロシア軍による文化施設への攻撃が相次いでいるとして、ロシアを国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の加盟国から除外するよう訴えた。ウクライナ最高会議(議会)は5月31日、ユネスコに対し、ロシア除外を早急に検討するよう求めており、ゼレンスキー氏は改めて国連側に対応を求めた。

「くたばれ」扉にロシア語、室内は無数の酒の空き瓶に排せつ跡…ブチャ「死の通り」深い傷

 東部ドネツク州北方で4日、露軍の砲撃を受けた大修道院は、16世紀に生まれたとされるウクライナ正教会有数の施設だ。ウクライナ国営通信によると、5月30日にも露軍の砲撃を受け、聖職者3人が死亡した。修道院内には多数の施設があり、4日に炎上したのは、100年以上の歴史を持ち、約20年前に再建された木造建築だった。

 ゼレンスキー氏はSNSの投稿で「第2次大戦以降、ロシアほど多くの記念碑、文化的な地を破壊した国はない」と非難した。国民向けに配信したビデオ演説では、今年2月の侵攻開始以降、露軍の攻撃で被害を受けたり、崩壊したりした教会は113か所に上ると明らかにした。

 ウクライナの文化相は3日、露軍の攻撃で「文化的遺産」計約370か所が破壊されたと発表した。教会が最も多く、図書館、博物館、美術館も含まれる。