[モスクワ 1日 ロイター] – ロシアはウクライナ侵攻に伴う大量の派兵や西側諸国の制裁で今年インフレが急騰し、従業員の間で国を離れる動きが起きていることから、大手企業が有能な人材を引き留めるために給与を引き上げている。

ロシアのインフレ率は6月24日時点で前年比上昇率が16.2%と2桁台。ロイターがまとめたアナリスト調査によると、年末は14.5%と予想されている。

ロシアのウクライナ侵攻に反対したり、ロシアの世界的な孤立から海外にチャンスを求めたりして国外に出る従業員もおり、IT(情報技術)などの部門が対応を迫られている。

銀行最大手のズベルバンクは、IT部門の従業員の給与を7月1日から平均8.5%引き上げると明らかにした。国内メディアによると、ズベルバンクはIT技術者の大量流出を食い止めることを狙っており、一部では給与を20%上げるという。

インタファクス通信によると、エネルギー最大手ガスプロムは7月から給与を10%引き上げる。

アルファバンクは従業員2万7000人余りの給与を4月に15%引き上げた。また鉄鋼のセベルスタリは2月半ばに従業員に一時金を支給したが、さらに4月1日から給与を9%引き上げた。