[イスタンブール 5日 ロイター] – ウクライナの検察当局はトルコ司法省宛ての6月13日付書簡で、ロシアが占領したウクライナ領土のヘルソン州などから穀物を盗んでいるとされる問題で、輸送に関与した疑いがあるロシア船3隻について調査を要請した。ロイターがこの書簡の内容を確認して分かった。

書簡によると、これら3隻はクリミア半島の主要穀物ターミナルのセバストポリを4月と5月に出発し、トルコの港に入った。ウクライナ側は積み荷とトルコの港への到着を記録した文書を押収するよう求めている。

船舶データベースのエクアシスによると、3隻を所有するのはロシア国営企業の「ユナイテッド・シップビルディング・コーポレーション」の子会社で、西側の制裁対象。同社はコメント要請に回答していない。

ロシア政府からもコメント要請への回答はなかった。ヘルソンにロシアが樹立した政権の幹部は、この地域の穀物はクリミアに向かい、同地における輸送は現地農家が責任を負っていると説明した上で、そこからトルコないし中東に運ばれたかどうかは何も知らないと述べた。

ロイターは1日、ウクライナが6月30日付の書簡でやはりトルコ司法省に、ウクライナ領ベルジャンスクから穀物を積み出したとみられる別のロシア船の押収を要請したと伝えた。トルコ政府高官の1人は4日、この船の運航を止めてウクライナの主張が妥当かどうか調べているところだと明かした。

トルコ司法省は2つの書簡についてのコメントは拒否しつつ、最近の同国外務省の声明に改めて言及した。外務省は、ロシアが盗んだ穀物がトルコに運ばれたというウクライナの申し立てを調査した結果、何も問題はないと判断したとしている。