Italy’s Prime Minister Mario Draghi looks on during the debate on government crisis following his resignation the week before, at the Senate in Rome on July 20, 2022. – Italy’s political crisis comes to a head on July 20, 2022, as Prime Minister Mario Draghi, 74, discovers whether his fractured grand coalition can be saved or if snap elections are unavoidable. There is much at stake: a government collapse could worsen social ills in a period of rampant inflation, delay the budget, threaten EU post-pandemic recovery funds and send jittery markets into a tailspin. (Photo by Andreas SOLARO / AFP) (Photo by ANDREAS SOLARO/AFP via Getty Images)

イタリアは9月25日に前倒し総選挙を実施する。マッタレッラ大統領が21日、議会を解散したと発表し、前倒し総選挙の実施を正式に明らかにした。

  ドラギ首相は同日午前に大統領に辞意を表明した。最新の世論調査によれば、メローニ党首率いる右派政党「イタリアの同胞(FDI)」を中心とする中道右派勢力が支持率でリードしている。

  ドラギ政権の崩壊に市場は動揺した。ユーロ圏で3番目の経済規模を持つイタリアでは、記録的高インフレや景気減速、ロシアによるウクライナ侵攻を受けたエネルギー不足の中で数カ月にわたり政局不安が続いていた。ドラギ氏は新政権が発足するまで暫定政権を率いる。

  欧州中央銀行(ECB)前総裁であるドラギ首相が率いる政権の抑えを失った議会は、欧州連合(EU)からの2000億ユーロ(約28兆円)の支援確保に必要な改革に関して合意が難航しそうだ。

  マッタレラ大統領は議会解散後の短い演説で、インフレやエネルギー危機などイタリアが抱える複数の課題に対処すべく、暫定政権に協力するよう各党に要請。「極めて重要な政府の活動を一時停止する状況にはない。ロシアによるウクライナ侵攻の影響を封じ込める必要がある」と訴えた。

  総選挙が秋に実施されるのはイタリア史上初めてとなる。議会は通常、秋に新年度予算を準備するためだ。総選挙までの期間が短い中で各党は、夏季休暇に入る有権者の支持獲得を目指し選挙運動の準備を急ぐ。

  ただ、総選挙が実施されてもイタリアで新政権が早期に発足するとは限らない。中道右派勢力は大半の議席を確保する見通しだが、メロー二氏率いるFDIとマッテオ・サルビーニ氏率いる「同盟」、ベルルスコーニ元首相の「フォルツァ・イタリア」を含むこの勢力内での協議が決着するには数週間を要する可能性がある。

原題:Italy Will Hold Early Election on Sept. 25 After Draghi Resigns(抜粋)