• ISM非製造業景況指数、地区連銀総裁発言、OPECプラスの対応
  • メタが起債を検討、PIMCOのクラリダ氏起用
NEW YORK, NEW YORK – AUGUST 10: People enjoy the day at Brooklyn Bridge Park on August 10, 2021 in Brooklyn Heights in New York City.  Photographer: Michael M. Santiago/Getty Images

7月の米サービス業の景況指数が予想外に上昇し、米国株は反発しました。しかし、油断は禁物。S&Pグローバルが発表したサービス業購買担当者指数(PMI)確定値は約2年ぶりに50を下回り、活動縮小を示しています。7ー9月期に入ってから10%近く上昇しているS&P500種株価指数の行方もしかり。相場の季節性などの統計を集めた「株式トレーダー年鑑」によると、1964年以降で夏季(7-9月)の上昇率(前四半期の安値から当該四半期の高値までの上昇率で比較)は9.4%と、他の3四半期よりも低くなっています。そもそも「サマーラリー」という言葉が一人歩きしている事実を忘れるべきではないでしょう。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

対照的な結果

米供給管理協会(ISM)が発表した非製造業総合景況指数は56.7と、市場予想に反して上昇。3カ月ぶりの高水準となった。業況と受注の指数が堅調さを増し、景気減速への懸念が和らいだ。1日に発表された7月のISM製造業指数は約2年ぶりの低水準で、非製造業指数の上昇はそれと対照的な結果になった。新型コロナウイルス感染状況とその対応措置の変化を背景に、消費者はサービス支出を拡大し、モノへの需要が減少している。

9月への思惑

サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は経済データが予想通りとなれば、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き上げることが適切になりそうだと述べた。セントルイス連銀のブラード総裁は大幅な利上げを「前倒し」で実施する戦略への支持を表明。政策金利を年末時点で3.75-4%とすることが望ましいとの見解も改めて示した。短期金融市場は9月のFOMC会合で決定する利上げ幅を、50bpと75bpのいずれか確率半々として織り込んでいる。

バイデン氏への回答

原油増産を求めたバイデン米大統領に対し、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」は記録的な小幅供給増で応じた。OPECプラスは閣僚級会合で9月の供給を日量わずか10万バレル引き上げることで合意した。ここ数カ月間と比べて拡大ペースは大幅な減速となる。7、8月分については日量60万バレル超の供給拡大を約束していた。

社債発行デビューか

フェイスブックとインスタグラムを運営するメタ・プラットフォームズは、同社初の社債発行の可能性を巡り、銀行に投資家会合の開催を依頼したと、関係者が明らかにした。債券投資家との電話会議を3日に行えるよう、モルガン・スタンレーなどに調整を依頼した。会合後にシニア無担保債を起債する可能性があるという。S&Pグローバル・レーティングはメタに投資適格級の「AA-」の格付けを付与。ムーディーズ・インベスターズ・サービスはこれより1段階低い「A1」としている。

クラリダ氏を起用

パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)は、米連邦準備制度理事会(FRB)副議長を務めたリチャード・クラリダ氏を、グローバル経済アドバイザー兼マネジングディレクターとして起用する。PIMCOで現在グローバル経済アドバイザー兼マネジングディレクターを務めるヨアヒム・フェルズ氏は、年末に退社する。

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